ヤングケアラー、糸満市は7人に1人 全国の2倍超
糸満市役所
【糸満】糸満市教育委員会と沖縄大学の名城健二教授は11月、児童・生徒向けでは県内初の独自のヤングケアラー実態調査を実施した。市内の小学5、6年生と中学生に調査した結果、単純集計で「家族の中で世話をしている人がいる」と答えた児童・生徒が14・3%に上り、7人に1人に相当することが、17日までに分かった。国の昨年度調査では中学生5・7%(17人に1人)、高校生4・1%(24人に1人)で、これを大きく上回る。16、17日の市議会定例会一般質問で市教委が玉城哲郎氏と新垣安彦氏に答えた。 名城教授は本紙の取材に「(全国より多いのは)予想の範囲だった」と述べた。一方、きょうだいを世話しているとの回答が57・9%を占め、家庭での手伝いをヤングケアラーと捉えた児童らがいる可能性があると指摘した。 「ヤングケアラーに当てはまるか分からない」との回答も17・3%あった。今後、1日当たりの世話時間や誰と世話をしているのかなど、他の質問項目と掛け合わせて分析し、年度内に最終的な結果をまとめる。市は最終結果を受け、担当部局と対応を協議する。 調査は市内全小中学校16校でタブレットを使って実施。イラストを用いて教諭らがヤングケアラーについて説明した上で回答してもらった。対象者は3497人で、回答率は90・4%。児童・生徒が世話している家族(複数回答可)はきょうだいの57・9%が最も多かった。次に母親が34・3%、祖父母25・5%、父親23・0%などだった。 県は各市町村の教諭などを対象に同様の調査を実施した。八重瀬町はヤングケアラーとみられる小学生6人、中学生1人を確認した。(比嘉璃子、照屋大哲)
琉球新報社
最終更新:琉球新報