冬のボーナスは何か月分? 第一生命保険・年収830万円の35歳「いつまでも続かない」

配信

13コメント13件

従来型の契約にとらわれず、ネット完結型の保険が若年齢層に人気。現場は「業界最大手の日本生命を追い越せ」と士気が上がる(※写真はイメージで、今回の取材とは関係ありません)

 コロナ禍で業績が悪化、一向に回復しない企業は今冬のボーナスも“厳冬回答”が多い。一方で、業績が落ち込んでも前年と同額、微減で歯を食いしばる企業もある。ローンの支払いは滞り、日常生活もままならなくなると、支給額に一喜一憂する……有名企業の正社員が、プライドをかなぐり捨ててボーナスにまつわる「素直な胸の内」を明かしてくれた! 今回は第一生命保険で働く35歳を取材、彼の場合は――。

冬のボーナスは何か月分? 第一生命保険・年収830万円の35歳「いつまでも続かない」

仲介手数料全開示の圧を受けたらヤバい……高待遇に危機感も

 今回の調査で唯一、ボーナスアップとなったのは、第一生命で営業職員(セールスレディ)の指導・管理にあたる永山次郎さん(仮名・35歳)。年収830万円で2か月分、110万円のボーナスが出た。「他業界がコロナの影響で大きな打撃を受けているなか、保険業界は安定しています。こんなにもらっていいのかなと、改めてありがたみを噛み締めています。’20年は対面営業の活動自粛で業績が落ち込んだものの、’21年に入って契約件数は前年比2倍に回復。子会社の健闘が大きく貢献しています」 米ドルや豪ドルなどの外貨建ての生命保険商品を扱う第一フロンティア生命と、保険代理店経由で販売する商品を扱うネオファースト生命が、親会社の業績を底上げする孝行息子になった形だ。

コロナ入院時の、医療保険契約が好調

「代理店経由の医療保険契約が好調で、コロナで入院したときや、働けなくなったときの対策として入る方が多いです。 また、ネットから申し込みできるデジタル完結型の少額短期保険サービスも、当社の弱点だった若い顧客層の取り込みに大きく寄与しています。実は、第一生命本体の保険を解約してこちらに乗り換える顧客が続発して、現場の営業職員からはブーイングも起きているのですが……」

金融庁の立ち入り検査も

 第一生命のセールスレディと言えば、元職員が在職中に顧客から計19億円を詐取した事件が’20年騒動になった。これをきっかけに’21年8月末には金融庁の立ち入り検査が入ったことも記憶に新しい。「当社の営業職員がお客さまをグリップする力は本当にすごいのですが、彼女たち任せにせず、本部からお客さまにフォローの電話を入れて契約内容の確認を取るなど、再発防止体制は強化されつつあります。が、現場への締めつけばかり強くなっていて、上層部の意識改革は全然できていないのが実情。 本社の中核を牛耳っている50代、60代の人たちの、事なかれ主義と責任を押しつけ合う文化はそうそうなくなるものではないですよ」

次ページは:この暮らしはいつまでも続かない

1/2ページ

最終更新:週刊SPA!

関連記事