9年ぶりに登場した「G'zOne」の最新モデルを試す - 「G'zOne TYPE-XX」インプレッション

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復活した往年の名機「G'zOne」の最新モデル「G'zOne TYPE-XX」

9年ぶりに登場した「G'zOne」の最新モデルを試す - 「G'zOne TYPE-XX」インプレッション

KDDIは6日、すでに発表済みのタフネススマートフォン「G'zOne TYPE-XX」の発売日を12月10日に決定したと発表した。カシオ計算機の携帯電話事業撤退に伴い新製品が途絶えていたG'zOneシリーズの20周年記念モデルとして位置づけ、カシオのデザインによるG'zOneが9年ぶりに復活した形だ。価格は52,800円。【写真】懐かしさも感じる折りたたみ型のスタイル。物理ボタンなので、グローブを装着しているときなども操作しやすいG'zOneは、『G-SHOCK』で知られるカシオによる、高いタフネス性能で人気を博した携帯電話/スマートフォンで、2000年の「C303CA」以来、世代を重ねて愛されてきたが、カシオが2012年のG'zOne TYPE-Lを最後に携帯電話端末事業から撤退したことで新製品も投入されなくなった。後期にはフルタッチパネル型の製品も投入されていたが、2005年の「G'zOne TYPE-R」以来、折りたたみ型のフィーチャーフォンスタイルの製品は継続して人気で、今なお利用している人がいるという唯一無二の製品となっている。そのG'zOneが、2010年に登場したG'zOne TYPE-Xのスタイルを引き継いだ「G'zOne TYPE-XX」として復活した。すでに8月に発表され、発売時期は11月以降とされていたが、今回改めて12月10日の発売が決定した。「実現に4年間かかった」と振り返るのはKDDIのパーソナル企画統括本部プロダクト企画部の近藤隆行氏。2012年にG'zOneが終了したあとも、キャンプや登山、アクトドアシーンなどで根強いファンがいる。長い人では15年もの長きにわたって利用しているという人もいるそうで、物理ボタンのあるフィーチャーフォンスタイルの端末が必要という声も多かったという。特にG'zOneユーザーは他のフィーチャーフォンユーザーに比べて既存のラインナップに対する不満が多く、同一ブランド・同一メーカーを希望する傾向が強かったそうで、「タフネスシリーズの先駆者として熱意に応えたい」(近藤氏)と商品化を決めた。20周年を機とした商品化を目指して開発をスタート。すでに携帯電話端末事業から撤退していたカシオは端末の開発・製造が行えないため、そのメーカー探しからプロモーションをどうするか、スペック・コストはどうなるかといった課題もあり、最終的に発売まで4年間を要したという。その結果、2000年から数えて21年となる2021年の発売となり20周年には間に合わなかったが、企画としては20周年記念モデルという位置づけで発売する。製造は、KDDI向けにタフネススマートフォン「TORQUE」を提供している京セラに決定。デザイン面ではカシオの歴代G'zOneチームが再集結して担当したという。「企業の垣根を越えた奇跡の商品」と近藤氏はアピールする。閉じた状態のサブディスプレイは初めてきちんと円形のディスプレイを採用。初代G'zOneをモチーフにした円形のテンキー、背面のスクリュータイプのバッテリーロックを採用するなど、従来のG'zOneのモチーフを生かしたデザインとなっている。着信音もG'zOne TYPE-Xに搭載されていたものをリメイク。音数の問題で収録できなかった「幻の曲」も今回は搭載しているそうだ。最終的な製品も、G'zOne TYPE-XXの最初のコンセプトデザインにバンパーとプロテクターが追加されただけで、カシオ側のデザインをほとんど変えることなく製造。京セラの高い技術力によって実現した、という。追加されたプロテクターは、単に衝撃に対するものとしてだけでなく、ダクト風のデザインにして内部に空気を送り込み、内部の温度センサーに外気を取り込む役割も担っているという。タフネス性能は従来通りで、高さ1.8mから落下しても壊れない耐衝撃性能に加え、19項目のMIL規格に対応。今回初めて塩水噴霧への耐性も備えたことで、船上で釣りの際に利用するといった場合も安心して使えるようになった。内蔵アプリとしては、天気や温度、気圧・高度、天気予報、コンパス、歩数、潮汐、魚の活性度といったアウトドアシーンで活躍する機能を搭載。山中で活用できるホイッスル音やクマ鈴などの音を鳴らせるブザー機能なども備えている。別売アクセサリとして、ナット型の卓上ホルダ、首掛けやカラビナでの取り付けが可能な2WAYストラップ&マルチケースの2種類も用意される。価格は52,800円で12月10日発売。開発・製造は京セラだが、発売元はKDDIとなる。ただしもちろんSIMロックフリーなので、auユーザー以外も利用することは可能だ。また、既存のG'zOneユーザーには無料で機種変更できるプログラムも用意するという。既存のG'zOneユーザーは、来年3月末に3G停波によってau VoLTE非対応端末では通信が利用できなくなることから、この無料交換プログラムでユーザーを引き留めたい考えだ。発売を記念して、KDDIでは「au CASIOケータイグランプリ」を実施する。これはau向けのカシオ製ケータイ35機種+G'zOne TYPE-XXの計36機種の中からグランプリをユーザー投稿で決定しようという企画。カシオケータイは、G'zOne以外にもデジタルカメラの「EXILIM」をブランド名に冠したEXILIMケータイなどもあり、その中から1位を決める。投票期間は12月6日から2022年1月10日まで。応募者の中から抽選でプレゼントも用意しており、ストレート端末「C303CA」をモチーフにしたリングライト、G'zOne TYPE-XXをモチーフにしたモバイルバッテリー、G'zOne MOTORSロゴ入りVICTORINOXマルチツール、CASIOデザインのオリジナル壁紙をそれぞれ提供する。特にリングライトとモバイルバッテリーは、想像以上にC303CAとG'zOne TYPE-XXに似せられた大きなもので、インパクトを含めて注目だ。今回は、記念モデルとしてG'zOneが復活したが、KDDIでは基本的にタフネススマートフォンは既存のTORQUEをメインとしていく考えで、京セラによるタフネス製品の実力をG'zOneユーザーにも知ってもらい、今後の移行にも繋がることを期待する。G'zOne自体の継続は「未決定」と近藤氏。反響があれば次回に繋がる可能性もあるというが、基本的にはTORQUEでニーズをカバーしたい考えだ。

小山安博

最終更新:マイナビニュース

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