ソフトバンクG、ドイツテレコムの4.5%の大株主へ。アームエヌビディア戦略に見る『浪漫と算盤』
KNNポール神田です。
保有株との株式交換で、買収先の大株主になるという、『アームエヌビディア戦略』が再び浮上中である。
ソフトバンクGの、奇想天外だったのが、『アームエヌビディア戦略』である。
税制錬金術のスキームだけでなく、アームを事業売却として、手放したのではなく、エヌビディアのイニシアティブまで握ってしまったことである。
2016年9月に310億ドル(3.1兆円)の高値で買収した『アーム』の75%(2.3兆円)は株主配当として、キャッシュを手に入れ『ソフトバンク・ビジョンファンド』へ譲渡し、4000億円の申告修正。
その後、『ソフトバンクビジョンファンド』が『エヌビディア』と株式交換で『アーム』を4.2兆円分で売却したのだ。
取引完了後のエヌビディア株の保有比率は8.1%となり筆頭株主となった。
現在エヌビディアの時価総額は5,647億ドル(56.47兆円)で、8.1%での価値は、457.4億ドル(4.574兆円)となる。
3.1兆円で買ったアームから、2.3兆円の株主配当があり、4.2兆円で売却し、その価値が4.5兆円となっている。
単純計算でも…
2.3兆円+4.5兆円-3.1兆円=3.7兆円
の算盤計算が成り立っている。
しかも、エヌビディアもアームも手中におさめ、3.7兆円分もの流動資産が手中に収まっているのだ。