デスクワークが肉体労働よりも身体を壊しやすいのはなぜか?(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース
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5コメント5件デスクワークが肉体労働よりも身体を壊しやすい。テックストレスを簡単に調べられる方法とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA
私たち現代人は、この数十年で急速にテクノロジー(パソコンや携帯電話、インターネット、そしてスマートフォン)に生活や働き方を変化させられてきました。さらに2020年以降のコロナ禍で、ビデオ会議に費やされる時間が急増。便利な一方で、身体面・心理面への影響が問題視されています。スマホ首や慢性的な肩こり・腰痛に振り回されているデスクワーカーも多いのではないでしょうか。そこで今回は、サンフランシスコで研究を重ねるエリック・ペパー博士の新刊『テック・ストレスから身を守る方法』(青春出版社)から、最新技術と共生しながら健康的に暮らしていく方法について抜粋紹介します。【この記事の画像を見る】● 米国で問題視されている「医療費年間500億ドル」の病 米国では毎年、何百万人ものオフィスワーカーが健康問題や身体的な重い外傷を抱えると報告されています。オフィス仕事は、工場での仕事より安全だと思われるかもしれません。しかし実際には、これらの健康問題や身体的な重い外傷のほとんどは「デスクワーク」に関連します。 腰痛症はほんの一例にすぎず、治療に直接かかる医療費は、米国内でもっとも高額で毎年500億ドルに上ります。腰痛の問題は、単に肉体労働をおこなう労働者だけの問題ではありません。現在、身体を壊すリスクがもっとも高いのは、年間7万ドル以上の収入を得ているデスクワーカーの人たちです。なぜなら、私たち人間の身体は一日中パソコンの前に座り、一晩中テレビを見るようにはつくられていないのですから。
下記の米国のデータは、成人の2人に1人は医師の診察を必要とするほどの筋骨格系の問題が報告され、オフィスワーカーの3人に1人は腰痛を経験している、というものです。 ●5500万人の従業員が、くりかえし起こる疲労を報告。●4500万人が、コンピュータの使用による腰痛症がある。●4500万人の労働者が「緊張型頭痛」や「手根管症候群」に悩まされている。 コンピュータで仕事をする北米人の30%以上が、年に一度は反復性緊張外傷(RSI。同じ筋肉をくりかえし使うことによる、痛みをともなう外傷)を発症します。日本と中東でも、同様の割合でRSIが発生していると報告されています。世界的に見ても、コンピュータ作業への従事によるなんらかの障害は、増加の一途をたどっているのです。 こうした症状は、長時間コンピュータの前で過ごす人なら、誰にでも起こる可能性があります。高校生を対象にした大規模な調査では、85%がコンピュータ作業のあと、首・肩・背中・手首の緊張や痛みを経験しています。 さらに、ソーシャルメディアを長時間見るほど、またドラマシリーズを一気に見ることが多いほど、うつ病のリスクが高くなるという結果が出ています。● 身体の状態を、どのようにして知るのか 過去20年間、世界中の研究者チームが、職場でのストレスやコンピュータによる筋外傷を評価し、その予防法を研究しました。 また、我々はホリスティックヘルスと人間工学の分野の研究者として、人間がテクノロジーとどうかかわっているかを観察してきました。 我々の仕事の特徴は、従業員へのインタビューや行動観察だけでなく、身体の生理反応も測定し、従業員のストレスを評価することです。
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最終更新:ダイヤモンド・オンライン