カップルYouTuberはどこへ向かう? 音楽活動をスタートした「きゅっぽんちゃんねる」と考える
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カップルYouTuber『きゅっぽんちゃんねる』が、本格的に音楽活動を開始した。きゅっぽんちゃんねる撮り下ろし写真 12歳で出会った元アイドル・すずと元芸人・TKエンターテイナー。18歳でカップルになるも、TKエンターテイナーの海外渡航をきっかけに4年間離れ離れに。その間すずはアイドル、そしてシングルマザーとなるなど波乱万丈の月日を経て二人は日本にて再会。カップルチャンネルを始動したのが、2020年4月5日のことだった。 YouTube動画の投稿と並行して音楽活動/ドラマ制作を始めるにあたり、1年半も構想を練ったというTKエンターテイナー。その本気度を伝えるべく映像制作プロジェクトを企画し、2021年10月よりクラウドファンディングにて目標金額を142%も超える支援金集めに成功。同年12月28日に「生きる意味を失いました」のタイトルで公開された映像作品は実に1時間を超える大作に。さらに、2022年1月1日にはオリジナル楽曲「言いたい時に、言えばよかった。」のMVをアップ&配信が決定し、ファンを驚かせた。 また2022年4月3日に、アイドルのいる生活、のりぽんチャンネル、はすきぃと嫁ぴぃらと共にファンフェスティバル『カップルYouTuberの集い。』を開催予定と大忙しだ。そこで音楽活動を始動させた試練の日々、そしてこれからのカップルチャンネルに対する思いなどたっぷり語ってもらった。■カップルチャンネルを応援する文化がさらに根付くはず――おふたりの出会いは12歳だった、という馴れ初めについては動画でも話されていましたね。すず:はい。もともと私がNSC(吉本総合芸能学院)ジュニアの前身となる子役事務所にいて、中学校の受験の為にNSCを離れました。その後、NSCが完全にお笑いのコースになってからも「久しぶりにおいでよ」と先生に言われて、行ってみたところコントをしていたTKがいたんです。それから6年後? 大学でまさかの再会をして。「あのときの!?」と話していくうちに付き合うようになりました。でも卒業後、TKはバケツパフォーマーとして世界を飛び回るようになって、私はアイドルなどを経験して子どもが生まれて……。共通の友人の結婚式で再会して、また付き合うようになりました。――そこからYouTube活動をするきっかけは何かあったのでしょうか?すず:TKの顔を出さずに「私の子どもと彼氏が遊んでいます」っていうほのぼの風景をTwitterにアップしたのがきっかけでした。それが想像していたよりもいいリアクションがあって。「私もカップルチャンネルをやりたい」って思ったんですけど、そのときはTKに「絶対イヤだ」って断られました。――意外ですね。今の活動を見ているとTKさんのほうが仕掛け人なのかと!すず:動画を見ている方からすると、そういうイメージですよね。しっかりしていて、決断力があって……でも、実際はかなり慎重派で。私は結構すぐに「やろう!」って踏み切るタイプなんですけど、TKは違っていて。TKエンターテイナー:やっぱりカップルチャンネルって、万が一別れてしまった後に黒歴史として残ってしまうというリスクを考えてしまったんですよね。「絶対に別れない」という確信がある状態じゃないとできないと思って。なので、すずちゃんに「3日間待って」と期限を決めて、その間に知り合いの映画監督から学生時代の旧友まで、いろんな人に電話して相談して、覚悟を決めたんです。――カップルチャンネルに対するリスクについては、どのように心の整理をつけられたんですか?TKエンターテイナー:これだけ発信することが当たり前になっていくなかで、今後もっとたくさんのカップルチャンネルが出てくると思うんですよ。そうしたらアイドルグループにもいつか解散があるように、カップルチャンネルも例え別れがあったとしても、その活動をしていたときの思い出を大事にできる文化が、これからもっと根付いていくんじゃないかなと。それぞれの道を応援していこうっていう流れができていくような気がしていて。「黒歴史になる」リスクも大したことじゃなくなっていくかもしれない。だから今は「とりあえずやってみよう」という気持ちを大事にしようと思ったんです。――そして、すずさんはきっちり3日後に「やろう!」と言われたのですね?すず:はい、びっくりしました(笑)。その3日間、本当に連絡が取れない感じで、何をしているんだろうと思っていたんですけど。TKは自分が信頼している人に背中を押されて決断に踏み切るタイプなんだなって、改めて思いました。■撮影NG日を設けても消せない、ドッキリリアクション体質――実際に『きゅっぽんちゃんねる』を始めてみていかがでしたか?すず:思ったよりも大変でした(笑)。やっぱりキツイのはプライベートとの境目がなくなっちゃうことで。特にTKは超仕事人間というか。1本の動画で撮影はだいたい1時間くらいなんですけど、編集が50~70時間とかかけてるんです。1分くらいのショート動画でも7~8時間編集をしていて。ほかのクリエイターの方に聞いても「そんなに時間かけてるの?」と誰も共感してくれないくらい。だから、家でもずっとPCの前にいて、一緒に遊べる時間が減りました。デートに行っても「動画を撮らなきゃ」みたいな空気もあって……絆が深まるという意味ではやってよかったなとは思っているんですけど。――70時間!? たしかに、ツッコミテロップのスピード感とかかなり作り込まれていると思いましたが、そこまでとは!TKエンターテイナー:僕は海外にいたこともあって、いわゆる「カップルチャンネルの動画ってこういうの」みたいなのを知らなくて。なので、NSCジュニアに7年間いて、ずっとツッコミだったので、そういう作り方になっちゃうのかもしれないです。自分で撮影でボケて、自分で編集でツッコミを入れるみたいな。それができるのはYouTube動画ならではだなと。――この記事をきっかけに『きゅっぽんちゃんねる』が気になったという方に、「まずこの動画を見てほしい」というおすすめはありますか?TKエンターテイナー:僕は「メンヘラ彼女を突然『嫁』と呼んだら反応がヤバすぎた...」っていう動画です。すずちゃんが可愛いので(笑)。基本的に僕らは、“メンヘラ彼女“でブチ切れるすずちゃんと、その尻に敷かれているTKエンターテイナーという構図が見どころなので。ほかにも、女の痕跡ドッキリとかも見てほしいですね。すず:私的なおすすめは「メンヘラ彼女がバレずに彼氏の上で1日生活してみたら...」です。ファンの方にも人気の動画なんですけど、TKがめっちゃ苦しそうなんですよ。それが爆笑ですね(笑)。TKエンターテイナー:でも実際はこの撮影の1日どころか、ほぼ毎日彼氏の上で生活しているっていうのをお伝えしたいですね。すず:結構乗ってます(笑)。――撮影はどのような感じで進めているのでしょうかTKエンターテイナー:その時の思いつきが多いですね。ドッキリを仕掛け合うのはもちろん突然ですが、すずちゃんがイメチェンしたタイミングでいきなりサプライズを仕掛けて来るみたいな。逆に「この日は絶対にドッキリは仕掛けない」っていうNG日をカレンダーに入れて、そこは守るようになりましたね。実は、いまもすずちゃんにかけている途中のドッキリが4つぐらいあるんですよ。すず:えぇー!――(笑)。ドッキリを掛け合うことに関しては、もう慣れましたか?すず:慣れましたね(笑)。TKエンターテイナー:もうどこに行くにも身構えちゃいますよね。仕掛けられてるんじゃないかなって。この前、渋谷でお手洗いに行ったらウォシュレットが止まらなくなっちゃって。そんな状況になっても「これカメラ回ってる?」って思っちゃう自分がいました。「え? え? やばい! どうしよう! 止まらないじゃん!」ってリアクションするのが体に染み付いちゃってるのがわかって、笑っちゃいましたね。逆に「撮ってないんかい!」っていうこともありますし。すず:普通に事務所の方に「ちょっと今日お話があって」と結婚のご報告をいただいたんですけど、それも「えっと、これは普通におめでとうって言って……いいやつですよ……ね?」みたいな挙動不審な反応になっちゃって(笑)。
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