パソコン代わりのiPad、選び方のポイントは? M1搭載のiPad Pro 11インチを選んだ訳 - iPadパソコン化講座
現在ラインアップされているiPadのモデルは4モデル。画面サイズで分けるとiPad Proが11インチと12.9インチの2モデルがあるので、計5モデルから製品選びをすることになります
iPadで足りないところ
では、なぜiPadを購入しなかったのか。筆者の場合は、以下の4つが大きな理由でした。1)第2世代のApple Pencilに対応していない2)ポートが依然としてLightningのままである3)生体認証がFace IDではなく、Touch IDである4)Smart Keyboardにしか対応していない1)に関しては、第1世代と第2世代のApple Pencilを比較する別の記事で詳しく取り上げたいと思いますが、PDFに手書きで校正したり、ラフスケッチを描いたりするときにどうしても第1世代は使い勝手が悪いのです。具体的には第1世代だとLightningポートに挿し込んで充電しなければならないという手間があることから使いたいときにApple Pencilが充電されていないことが多かったり、形状が丸いのですぐに転がって床に落ちてしまったりするのが大きなネックです。
また、2)に関しては、USBメモリや電源アダプタなどを利用するとき、Lightningのままだと、Macなどで利用しているUSB-C対応の周辺機器やアクセサリを使い回すことができない。3)に関してはiPadを机の上に置いてパソコン代わりに使う際、いちいちホームボタンにタッチしてロックを解除するのが面倒。4)に関しては、文書作成の際などできればトラックパッドを搭載したMagic Keyboardを使えたほうが快適、といった理由からiPadはパスせざるを得なかったのです。
さらに、iPadは2〜3年以上は買い替えたくはなかったため、ほかのiPadと比べて見劣りする以下の点を踏まえると、もう少しお金を出して上位のモデルを購入したほうが長期的には満足すると考えました。5)ベゼルが太く、表示領域が狭めの旧世代のデザイン6)背面カメラが8MPである(そのほかのiPadシリーズは12MP)7)Wi-Fiが11acまでにしか対応していない8)ディスプレイがP3、フルラミネーション、反射防止コーティングに非対応もちろんiPadは毎年のように新しいモデルが出るので、今後のモデルでは上記の点にいくつか改良が図られるでしょう。現時点でこうした点が気にならなかったり、iPadを1〜2年で買い換えるつもりであったり、とりあえず「初めてのiPad」として購入したりするのであれば、iPadも十分ありでしょうが、少なくとも筆者の場合はスルーせざるを得ませんでした。
iPad miniは素晴らしいデバイスだが…
そうなると選択肢として残るのは、iPad miniとiPad Air、iPad Proになりますが、このうちiPad miniは筆者がiPadでNGとした条件をたいていクリアするものの、8.3インチという画面の小ささから購入には至りませんでした。やはり、日常的にメインマシンとしてパソコン代わりに使うには、さまざまな作業を行ううえで大きな画面のほうが作業がしやすいからです。
ただ、最新のiPad miniはiPad同様に2021年秋に出たばかりのモデル。iPadの廉価版では決してなく、"mini"というののはサイズだけで、一部のスペックはiPad Airもしのぐほど大幅に進化しています。また、小さいがゆえに「手軽に持ち運べる」というのが他にはない大きなメリット。毎日卓上でちょっとしか使わない、持ち運んで仕事することが多い、文章作成の際はBleutoothキーボードで構わない人や、仕事以外にもたとえば車やキッチン、ベッドサイド、お風呂などで特定の用途に活用したい人にとっては、もっとも万能でもっとも使えるデバイスかもしれません。ほかのiPadだと、どうしてもそのサイズゆえに、卓上に置いたままになりがちですからね。もう1台iPadを購入するなら、断然iPad miniです。
iPad Proか、それともAirか?
さて、筆者の場合はこうしてiPad ProとiPad Airのどちらかで最後は悩むことになり、最終的にはiPad Pro 11インチ(第3世代)を購入しました。iPad Proと比べた際のiPad Airの違いは以下の点です。1)チップがA14 Bionic(iPad ProはM1)2)Touch ID(iPad ProはFace ID)3)2スピーカ(iPad Proは4スピーカ)4)フロントカメラが7MP(iPad Proは12MP)5)背面カメラは12MP広角のみ(iPad Proは12MP広角と10MP超広角)6)センターフレーム非対応などカメラのスペックがやや古い7)ディスプレイがProMotionに非対応8)LiDARスキャナ非搭載9)Thunderbolt/USB4非対応iPad AirとiPad Pro 11インチの価格差は、もっとも安価な64GBモデルのiPad Airが6万9,080円、もっとも安価な128GBのiPad Pro 11インチが9万4,800円なので約2万5,000円。この価格差に対して、上記の差がどう映るかは人によって大きく異なるでしょう。iPad Proのほうが最新のM1チップかつストレージ2倍なのでそれだけでも価格差に見合うと考える人もいれば、1)〜9)の点はすべてオーバースペックで必要なく、2万5,000円の価値はないと考える人もいるはずです。
筆者の場合は、特にFace IDであることとセンターフレーム対応(あまり使わないかもしれないが)に重きを置き、かつそれ以外のスペックが全体的に良いことを踏まえるとiPad Pro 11インチにしたほうが安全かな、という判断のもとプラス約2万5,000円の出費を決意しました。とはいえ、購入後はiPad Airでもよかったなぁと思うこともあり、このあたりの判断は本当に難しいところです。
ちなみに、iPad Proの12.9インチの価格はもっとも安価な128GBモデルで12万9,800円なので、iPad Airと比べて約6万円の差となります。iPad Pro 11インチと12.9インチのスペックはディスプレイサイズ以外は共通なので、筆者の場合は大画面に魅力を感じつつも、さすがに6万円の価格差は大き過ぎると判断し、12.9インチはパスしました。
iPad Pro 11インチには大満足
こうして筆者の場合は、久しぶりに新しいiPadとしてiPad Pro 11インチ(第3世代)を手にしたわけです。カラーはシルバー、ストレージは128GB(ほかにも、256GB、512GB、1TB、2TBが選択可)、Wi-Fiモデル(Wi-Fi+セルラーモデルはプラス1万8,000円)で価格は9万4,800円。これに、第2世代のApple Pencil (1万5,950円)、Magic Keyboard(3万4,980円)を加えて、トータル14万5,730円です。iPad本体は10万円を切る価格でも、このようにアクセサリを足していくと、その価格はゆうにMacBook Air(11万5,280円〜)を超えてしまいましたので、それに見合うアウトプットをこのiPad Proには出してもらわないとなりません。
すでに購入してから1週間ほど経ちますが、今のところはパソコン代わりのメインマシンとして十二分の活躍をしてくれており、大変満足しています。特に驚かされたのは、やはりM1チップ。M1搭載のMacBook Airと同レベルで、何をやるにしてもこれまで以上にスピーディです(M1のMacBook Airとの処理速度の比較は今後別の記事で紹介します)。また、Magic Keyboardや第2世代のApple Pencilの使い勝手も非常に抜群です。これからは、このiPad Pro 11インチをベースに本連載の記事も執筆していきますので、どうぞご期待ください。