引き出物宅配から生まれた新サービス、従業員同士でギフトを送り合う新体験「SELECTS for Business」とは | BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報
元々は「Gift Kitchen」、一昨年には「POSTAL」という新形式のギフト EC サービスを発表していた LEMO だが、今月10日、新たなサービスを立ち上げた。カタログギフトの法人向けソリューション「SELECTS for Business」がそれだ。主に、企業の従業員同士のコミュニケーションに主眼を置いた、福利厚生サービスをターゲットにしている。
POSTAL は平均前月比1.5倍というペースで好成長を続けていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により需要激減。引き出物需要を狙った POSTAL は、理論上、ウェディングが無くなってもオンラインで完結できるサービスなのだが、そこはやはり、ウェディングそのものの需要減の影響を避けることはできず、売上が従来の95%にまで減少したという。
最近では新型コロナ対策の浸透と共に、ウェディングの開催頻度は昨年の最悪の時期を脱して以前の半分程度にまで回復しているが、感染対策のための少人数化で招待人数が半分程度に抑えられており、引き出物市場の経済も半分程度に落ち込んだままだ。そんな中、LEMO の元には個人向けに設計した POSTAL に対し、法人でも利用できないか、という問い合わせが寄せられるようになった。
企業では社員同士のコミュニケーション円滑化のため、福利厚生の一環として社員旅行やイベントを開催するための予算を計上しているが、新型コロナ対策でキャンセルまたは延期を余儀なくされるようになった。代わりの企画として、贈り物を送り合うことで、テレワークに疲れた社員らの会社や社員同士のエンゲージメントを高められないか、と考えるようになったわけだ。
このような企業では以前、予算を使って図書カードを送るアイデアもあったようだが、図書カードは自由度が高いものの、会社や社員同士のエンゲージメントを高めることには寄与しづらい。オリジナルのカタログギフトを使うことができれば、社員らは自分のいいと思うもの、出身地の名産品などを送り合うことで、互いを知るためのきっかけ作りに良いキッカケ、話題の糸口になるかもしれない。
コロナ禍にもかかわらず、昨年はギフトモールがジャフコから15億円調達、「TANP」を運営する Gracia が11億円を調達するなど、業界全体への期待は現在も大きい。自由に会えなくなったことを補完する仕組みとして、人のつながりを豊かにするためのツールとしてギフト EC への需要の高まりが期待される。
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