上り10Gbpsの「XGS-PON」は「G.9807.1」、続く4×10Gbpsの「NG-PON2」は「G.989」として標準化

 実を言えば、これは当初からのプランであった。XG-PONは当初「NG-PON(Next-Generation PON)」という名前で仕様策定が開始されていたが、この段階で、G-PONとの互換性を保った上り2.5Gbpsのバージョンと、上りを10Gbpsに増速したバージョンの2つを用意することが規定路線であった。

 その後はそれぞれXG-PON1、XG-PON2との呼び方もされていたが、最終的に後者の上り10Gbpsのものが「XGS-PON」という名称になった。XGSは“10(X)G Symmetric”(10G対称型)の意味で、上り下りともに10Gbpsになったことを表している。

上り10Gbpsの「XGS-PON」は「G.9807.1」、続く4×10Gbpsの「NG-PON2」は「G.989」として標準化

 XGS-PONの仕様は、やや面白いものになっている。ITU-Tでは、XG-PONの後でXGS-PONの標準化も開始しているわけだが、同時に次回に説明するNG-PON2の標準化も始めており、表現は悪いが、どちらかと言えばXGS-PONは、NG-PONの片手間で作業が進んだ感がある。

 さらに言えば当初は、NG-PON2の標準化が完了すればXGS-PONの代わりになる、という見通しもあったようだ。ただ実際にはそういうわけにも行かないことが見えてきたためか、XGS-PONの標準化が改めて行われた感がある。

 結果、ITU「G.9807.1」としての標準化が完了したのは2016年6月のことである。その後、記述ミスなどの訂正を行った「Erratum 1」が2017年3月に、若干の追加を行った「Amendam 1」が2017年10月にリリースされている。

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