テレワークあなたはどんな働き方を選ぶ?スタンダートから進化系までテレワークの種類と最新事情

この記事を書いたライター

伊藤璃帆子

芸術大学で美術、写真を学び、ITマーケティング会社を経て、独立。現在フリーでライター、編集、撮影、イラスト、フードスタイリングなどを手掛ける。

ワークスタイル豆知識2021年6月28日

新型コロナウイルス感染症の拡大によって多くの企業が実施しているテレワーク。業務の効率化や働き方革命への寄与、ワークライフバランスの向上といったメリットがある一方、ワークスペースの確保やセキュリティ対策などの課題があります。今回は、テレワークのこれまでと最新事情をふまえ、企業や私たちが心がけるべき注意点に触れていきます。

目次

テレワークの種類は主に3つ

テレワークの種類は主に3つ

テレワークは情報通信技術を活用し、会社以外の場所で働くことです。テレワークは場所に応じて主に3つに分類できます。

テレワークの種類①在宅勤務

テレワークをする場所として一番活用しやすいのが自宅といえます。仕事と生活の両立に便利で、移動がないため時間を有効に活用できます。家事や育児をしながら仕事をしたい人は便利です。

一方で、仕事スイッチが入りにくい自宅では、モチベーションの低下も懸念されます。「テレワークでモチベーションを上げるには?仕事の意義を見失わないための方法」で解説していますので、テレワークで仕事のモチベーションを上げる方法などを参考に、環境づくりなど工夫をしてみましょう。

テレワークの種類②サテライトオフィス勤務

シェアオフィスやコワーキングスペースを利用してテレワークを行います。自宅の近くにサテライトオフィスがある場合は、通勤時間の短縮や業務効率化を図ることができます。在宅勤務で仕事とプライベートのオンオフがつけづらいという方にもおすすめ。

テレワークの種類③モバイル勤務

働く場所や時間を自由に選ぶ働き方です。移動中の電車内やカフェといった場所でノートパソコンやタブレットなどを活用してテレワークを行います。働く場所の自由は業務効率化につながる反面、不特定多数が出入りする場所ではセキュリティのリスクが高まる恐れがあります。

テレワークに使える場所とメリット、デメリット

テレワーク、どこでする?

柔軟な働き方を可能にし、業務の効率化やライフワークバランスに寄与するテレワークは多くの企業で導入が進んでいます。テレワークを行いやすい環境はどんどん増えていますが、実施する場所によってさまざまなメリット、デメリットがあります。

カラオケボックス

カラオケボックスではテレワーク需要に対応したプランを用意しているところが多くあります。個室のため他人の目線や会話を気にする必要がなく、Wi-Fiやドリンクバーが利用できて快適なテレワークが実現します。比較的安く利用できるのもポイントです。 主なデメリットはWi-Fiのセキュリティ面の心配と店内BGMの調整ができないことなどが挙げられます。隣の部屋でカラオケをしている人がいると、音漏れも気になるかもしれません。

テレワークあなたはどんな働き方を選ぶ?スタンダートから進化系までテレワークの種類と最新事情

貸し会議室

Web会議が多い方は貸し会議室が便利です。テレワーク需要が高まり1人利用ができる会議室も増えてきました。電源とWi-Fiが利用でき、業務に集中できる環境が整っていますが、都心部に多い傾向があり、自宅近所に見つからない場合もあります。

コワーキングスペース&シェアオフィス

コワーキングスペースはテレワークにおすすめ

仕事場所として特化しているコワーキングスペースやシェアオフィスは、テレワークに最適な環境が整っています。電源、Wi-Fiはもちろん、プリンターなどの事務機器もレンタルできます。会議用の個室や安価に利用可能なドロップイン(一時利用)などプランのバリエーションも豊富です。ただし、すべてのスペースに個室があるわけではないため、Web会議をする場合は個室の有無を確認しましょう。

ネットカフェ

個室完備のネットカフェもテレワークにおすすめの場所ですが、簡易的なしきりがあるのみの施設では音声が漏れてしまうためWeb会議には不向きな場合も多くあります。また、施設の共用パソコンで仕事をするのは基本的にNGです。不特定多数が使用するパソコンにはセキュリティ上のリスクが多く、情報漏洩の危険性が高くなります。

飲食店

カフェやレストランでテレワークする人も増えています。マナー的にはNGな場所も多いため、周囲への配慮が必須です。また、飲食店でテレワークをしながらパソコンやスマートフォンを置きっぱなしで離席する方が増えているようで、覗き見のリスクも高く、情報漏洩が危惧されています。

ホテルや旅館などの宿泊施設

ワーケーション、ステイケーションといった休暇と仕事の両立もブームになりましたが、平日のテレワークに宿泊施設を利用する方も増えています。個室であることやWi-Fi環境が整っていることがメリットです。テレワーク需要に合わせたデイユースプランで宿泊より安価に利用できるプランも多く、自宅より集中できると人気です。ただし、仕事場に特化した施設よりも値段が高くなります。

ステーションワーク(駅ナカ)

駅ナカでもテレワークできちゃう

テレワーク用に設置された駅ナカブースも人気があります。移動の途中で急に業務が発生してもJRや地下鉄の駅ナカで対応できます。電源やWi-Fiはもちろん、ウイルス対策として抗菌コーティングや換気システムもあり、安心かつ快適に業務にあたることができます。

テレワークの最新事情。自宅オフィスや移動オフィスも

テレワークをより快適にする潮流

テレワークが普及するなか、通常のオフィスワークとは異なる環境にデメリットを感じている方もいます。テレワークの悩みを解決するために、住居や移動中に快適な作業空間を提供するサービスが増えています。

プラスワンスペース

出勤の必要がない方に人気が高まっているのが郊外の戸建住宅です。戸建を購入するに際し、テレワークを意識した敷地内スペースの提案が目立つようになりました。在宅勤務の場合、プライベートとのスイッチングがうまくいかないといった悩みがつきもの。そこで建築メーカーなどが提案しはじめたのが、仕事に集中できる書斎スペースや「はなれ」を作ってしまうこと。室内をブースで区切ったり、ミニマムサイズの小屋を敷地内に建てることで、在宅勤務をより快適にできそうです。

モバイルオフィスカー

最近は車内でテレワークをしている方も多く見られます。しかし、狭い車の座席に座っての長時間にわたるパソコン作業は体にも精神的にもかなりの負担になりそうです。

そこで登場したのがモバイルオフィスカーです。ハイエースなどのバンに電源やデスクを取り付け移動オフィスとして機能させる車両が登場しています。オプションでWi-Fiが使えたり、打ち合わせができるようにドリンクを冷やせる冷蔵庫を設置したりと、さまざまな工夫が見られます。「キャンピングカーのようなもの?」と考えがちですが、モバイルオフィスカーは一般的な駐車場に入れられるサイズであることも重要視されています。また、災害時にも活用できる可能性が高く、注目が集まっています。

新幹線オフィス

新幹線でも会議できちゃう時代に!

テレワークが広まったいま、新幹線でも電話やWeb会議もできるサービスが試験導入されています。JR東北・北海道新幹線「はやぶさ」では1号車をリモートワーク推奨車両として開放し、実証実験中にはWi-Fiルーター、ワイヤレスヘッドフォン、スマートグラスなども体験できます(2021年6月11日から翌月16日までの予定)。

このように、テレワークを快適に実施するためのサービスはどんどん増えていますが、日本におけるテレワーク実施率は2〜3割とまだまだ浸透しきっていないのが現状です。そのため、テレワークに興味はあるものの、実施できていないという人も少なくないのではないでしょうか。テレワークに向いている職業を紹介している記事もありますので、新しい働き方への挑戦や、今後のキャリアプランを考える際の参考にご覧いただくといいでしょう。

テレワークにおける情報漏洩リスク

テレワークは情報漏洩に細心の注意を

テレワークがしやすい環境が広がる一方でセキュリティ管理の方法が問題視されています。多くの企業では自社の情報資産を守るべくオフィス内のセキュリティ対策がなされていますが、テレワークでは個々の従業員に対するシステム・セキュリティ管理の目が届きづらくなり、情報漏洩やサイバー攻撃といったリスクが高まりがちです。具体的には以下のようなリスクが考えられます。

物理的な管理

テレワークは社内の機密情報を社外で扱うことになります。パソコン、記録媒体、書類などの盗難、紛失に注意しましょう。また、不特定多数が出入りする場所でのテレワークでは、情報やパスワードの覗き見を防止しなければなりません。

ネットワーク環境

パソコンを使う業務の場合、テレワークで最も意識しなければならないのはネットワーク環境へのリスクです。暗号化されていないネットワークは使用しない。スパムメール、ウイルス対策などを講じる。VPNを使用するなど、セキュリティに気を配りましょう。

テレワークは会社のDXのチャンスに!

テレワークは企業のDXのチャンスに!

テレワークの実践は新しい生活様式への対応だけではなく、多くの企業に求められているDX(デジタルトランスフォーメーション)を促す取り組みと考えられています。テレワークを実現するためには、組織の情報責任者がオープンな環境に対応するためのシステムやルールを整える必要があります。そして実践する従業員一人ひとりの情報リテラシーを高めることが重要です。と同時に、慣れない働き方による生産性の低下を防ぐ工夫も大切です。「テレワークで仕事の質を高める!在宅ワークやリモートワークで仕事の質を高める方法6つ」でも解説していますので、参考にしてみてください。

出典: 『ステーションワーク』ーJR東日本 『テレワークセキュリティガイドライン』ー総務省 『新幹線でリモートワーク』ーJR東日本

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伊藤璃帆子

芸術大学で美術、写真を学び、ITマーケティング会社を経て、独立。現在フリーでライター、編集、撮影、イラスト、フードスタイリングなどを手掛ける。

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