シンガポールの金融ポータルMoneySmart、シリーズBでカカクコムなどから1,000万米ドルを調達——アジア太平洋地域でのプレゼンスを強化 | BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報
シンガポールの個人向け金融ポータル MoneySmart が、日本のオンラインサービスプロバイダであるカカクコムがリードしたシリーズ B ラウンドで1,400万シンガポールドル(1,000万米ドル)を調達した。既存投資家として SPH Media Fund や Golden Gate Ventures も同ラウンドに参加した。
MoneySmart は今回調達した資金を、シンガポールとインドネシアにおけるプレゼンス強化と新たな地域への進出のために利用する予定。具体的にはマーケティング活動を強化するほか、プラットフォームやコンテンツ、ビジネス開発、マーケティングなどチーム全体で新たな人材の採用を行う。
カカクコムでグループ事業戦略本部長(経営戦略室長)上席執行役員を務める杉原眼太氏は、MoneySmart とカカクコムのビジネスモデルの間には明確な相乗効果があると語る。
MoneySmart が金融に関する最高のアドバイスを得られるように消費者をサポートするのと同様に、カカクコムも消費者が必要なツールを利用できるようにサポートするビジネスを行っている、と彼は説明する。例えば、同社が提供する価格比較ツールは、日本の消費者が最低価格の商品を探す際に役立つものだ。
カカクコムの興味深いポイントは、異なる業種の様々なサービスを個別のブランドで展開していることにある(杉原氏によると、一部の消費者はこうしたポータルの全てをカカクコムが運営していることに気付かないという)。例えば、レストランのユーザレビューとランキングのサイト「食べログ」、暮らしに特化したキュレーションサイト「キナリノ」などがそうだ。
杉原氏は、先進国市場(シンガポール)と新興国市場(インドネシア)の両方を獲得した MoneySmart の能力の高さに感銘を受けた、と語る。
MoneySmart との提携においては、単に資金面での後ろ盾となるだけではない。カカクコムは MoneySmart と「知識を共有」していくという。東南アジアにおける事業拡大がカカクコムの最終目標なのだ。そのためには地域市場とユーザ習慣について学ぶ必要があり、MoneySmart はその良い出発点となるだろう、と杉原氏は語る。
2009年設立の MoneySmart は、シンガポールにおいて住宅ローンパッケージに関する情報を提供するサービスから始まった。現在では、クレジットカード、保険、ローン、銀行口座など、17種類の個人向け金融情報を提供している。
ユーザ数の伸び率は2015年から40%上昇している。MoneySmart によると、現在の月間平均ユニークビジター数は70万人にのぼるという。
設立者兼 CEO である Vinod Nair 氏は e27に対し、今後の計画について次のように語っている。
具体的に MoneySmart には2つの側面があると Nair 氏は語る。1つ目はコンテンツとしての側面であり、例えば、ユーザに投資の始め方を教えることなどが含まれる。2つ目は、投資家に関する情報とリスク選好度を把握するためのプラットフォームとしての側面である。
【via e27】 @e27co
【原文】
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