2万2千円の細身スマホ「Mode1 GRIP」をレビュー。iPhone 13 miniよりも幅狭で持ちやすさ抜群

「GRIP」という新しいコンセプトが光る1台

 Mode1シリーズと言えばこれまでに発売されたモデルの多くが「レーシングカー」のようなデザインを大きな特徴としてきた、ピーアップのオリジナルスマートフォンだ。

 これまでのモデル同様に、モータースポーツにも力を入れている同社らしくレーシングをイメージしたカーボンルックの背面デザインは継承されているが、Mode1 GRIPの大きな特徴はその名の通り「GRIP」、つまり握りやすいスリムな本体幅にある。

 Mode1 GRIPの本体幅は約56mm。現行のスマートフォンで比較的コンパクトで持ちやすいと言われているiPhone SE 第2世代でも67.3mm、最新のiPhone 13 miniでも64.2mmなのでかなり幅が狭いことが分かるだろう。

 またフィーチャーフォンの横幅が50mm程度だったことを考えると、Mode1 GRIPを手に持ったときの印象はフィーチャーフォンを握ったときに近いとも言える。

 握りやすさの代わりか、コンパクトな本体サイズに対し基本性能はほどほどだ。

 SoCにはMediaTekのHelio P70、メモリ4GB、ストレージ64GBと、2万2,000円の安価なSIMフリースマートフォンであることを考えれば並の性能だ。

【表】Mode1 GRIPの主なスペック
OSAndroid 11
SoCMediaTek Helio P70
メモリ4GB
ストレージ64GB
ディスプレイサイズ5型液晶
ディスプレイ解像度1,440×576ドット
リアカメラ約4,800万画素+約800万画素(広角)
フロントカメラ約2,500万画素
SIMカードNano SIMカード×2(DSDV対応)
ワイヤレスWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 4.2 LE
インターフェイスUSB Type-C
外部メモリーカードmicroSDカード(最大256GBまで)
FeliCa×
NFCNFC TypeA/B対応
防水・防塵×
ワイヤレス充電Qi 5W対応
対応バンド4G:B1/B3/B8/B19/B26/B28b/B413G:B1/B6/B8/B192G:850MHz/900MHz/1,800MHz/1,900MHz
本体サイズ約56×138×10mm(幅×奥行き×高さ)
重量約140g

 また「GRIP」のコンセプトの通り、本体幅をスリムにした結果、ディスプレイは5型ながら解像度はそのほかのスマートフォンより横幅にピクセルが少ない「1,440×576ドット」となっている。おもしろいのは縦横比がシネマスコープ比率になっていることだろう。

 小さいながら画面いっぱいまで広げての動画視聴は十分に没入感もあり、普段の利用でも縦に長く情報量も多いため、解像度や情報量の不足を感じることは少ない。

 外観の特徴としてはここまでに書いた通り、非常にスリムな本体幅や縦長のディスプレイ以外に、Mode1シリーズとして共通のカーボンルックの背面や、ワンポイントでレッドに着色された電源ボタンが目を惹く。

 生体認証は指紋認証に対応し、指紋認証センターは本体の右サイド、ちょうど握った際に親指が当たる位置に配置されている。認証精度も高く、本体サイズが小さく握りやすいこともあり、ポケットから取り出した後持ち直すことなくすぐに画面ロックを解除することが可能だ。

 SIMカードスロットはNano SIMカードを2枚装着可能で、Mode1 GRIPはDSDVにも対応している。2枚目のNano SIMカードとの排他利用となるが、microSDカードの利用もできる。

 付属品はマニュアルやSIMピン、USB Type-A to Cのケーブル、さらに専用のハードタイプのクリアケースとなっている。

 クリアケースは側面が大きく開いているため、装着した状態でもコンセプトの握りやすさは犠牲にせず、ダメージを受けやすい四角を中心にしっかりと保護される工夫された専用ケースだと感じた。

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