「OPPO A55s 5G」レビュー、防水防塵・大画面で33,800円のSIMフリースマホ | マイナビニュース マイナビニュース マイナビ

5Gに対応したエントリークラスのスマートフォン「OPPO A55s 5G」

OPPO A55s 5Gの注目点は、防水・防塵にきちんと対応していること。OPPO Aシリーズとしては初めて、IPX8/IP6X相当という高いレベルの防水・防塵をサポートしています。さらに、画面は6.5インチと大きめで、5Gと4GのデュアルSIMやeSIMにも対応している点が長所となっています。

カラーははブラックとグリーンの2色を展開。筆者はグリーンのモデルを試用しました。背面は青磁の焼き物を思わせる緑がかった乳白色で、柔らかく親しみやすい色合いです。ロゴは少なくすっきりとしたデザインで、側面は背面の色味にあわせたグリーン系のメッキ仕上げです。

厚みは8.2mmで、3万円台で防水対応のスマホとしては薄く仕上げられています。背面から左右の側面にかけて、弧を描く形状となっていて、手に持ったときの安定感を損ねません。

外部端子としてUSB Type-Cのほか、3.5mmイヤホンジャックを装備。モノラススピーカーを内蔵します。

これまでのOPPO製のスマホと同様に、出荷時から画面の保護フィルムが貼り付けられており、クリアケースが付属します。なお、充電器とケーブルは同梱されません。

ディスプレイの解像度はフルHD+(2,400×1080ドット)、リフレッシュレート90Hzの高速駆動にも対応しています。画面サイズの割に薄く軽い本体とも相まって、電子書籍アプリなどは快適に表示できました。

チップセットはクアルコムのSnapdragon 480を採用。メモリは4GBとなっており、SNSを中心とした簡単な用途ならおおよそカバーできそうな構成です。同じ構成のスマホとしては、auやUQモバイルが販売する2万円台のシャオミ製スマホ「Redmi Note 10 JE」があります。

通信周りのスペックは充実しており、モバイル通信では5GのSub-6周波数帯もサポートします。ただしミリ波は非対応で、Sub-6でもNTTドコモが使用しているバンドn79は利用できません。

5G通信はUQモバイルの回線で試してみましたが、新周波数帯のエリアでは、実際に500Mbpsに迫る高速な通信を確認。Webサイトの表示やTwitterアプリでのプレビューなどもサクサク快適でした。

デュアルSIM対応のOPPO A55s 5Gは、nanoSIMカード×2枚を挿入して、5G+4G LTEで同時待ち受けが可能です。eSIMもサポートしているため、nanoSIM+eSIMという組み合わせもOKです。

Wi-Fiは、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac/a/b/g/n)までをサポート。最新規格のWi-Fi 6には非対応となっています。

背面カメラは3眼に見えますが、実際は2眼構成。1,300万画素の広角カメラ、200万画素の深度カメラという組み合わせです。

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カメラ部にはレンズのように見える円が3つ並んでいますが、真ん中はカメラではなく「AI」というロゴ。3眼カメラの別モデルの設計を流用することで、製造コストを抑えているのでしょうか。

カメラアプリには、ポートレート、夜景、パノラマといった標準的な撮影機能がそろっており、静止画撮影時は最大5倍のデジタルズームに対応します。広角レンズがないため、画角を選ぶ自由度は低めです。

カメラの写真は「くっきりはっきり」といった描写になりやすい傾向。実物よりも多少色あせて見えるような写りになりがちです。

また、カメラを起動してからすぐにシャッターを切ると、ブレが大きいことや、夜景モードで色味が安定しないところも気になりました。このあたりのチューニングの甘さについては、発売後のアップデートで改善が期待できるかもしれません。

OPPO A55s 5Gはもともとメモリ容量が4GBと、Android 11のスマホとしては少ない部類。ひんぱんに通信するアプリやシビアな操作を求められるアプリでは、使い込んでいくとややレスポンスの遅さを感じることもあります。

ゲームアプリでは「ポケモンGO」を試してみましたが、決して快適とはいえないものの、一通りのプレイは可能でした。画面を切り替えるシーンで表示崩れが発生するといった課題もあり、ゲーム向きのスマホではないことは確かといえそうです。

また、メジャーな動画再生アプリを試してみたところ、YouTubeやAmazonプライムビデオ、ディズニープラスアプリはフルHD解像度でスムーズに再生できました。

試用中で特に気になったのは、「NHKプラス」アプリで動画再生がもたつくことです。音声の再生に映像の描画が間に合わず、画面表示が30秒ほど遅延してしまうという状態になっていました。

動画再生アプリでの音ずれは、OPPOが過去に発売したエントリークラスとミドルレンジクラスのスマホでも、ユーザーがSNSなどで報告しています。NHKプラス以外だと、「DAZN」でも同様の症状が報告されています。筆者が所有しているOPPOのハイエンドモデル「OPPO Find X3 Pro」では、NHKプラスアプリの表示遅延はありません。メモリ容量が少ないエントリーモデルを中心に発生しているようです。

対応策としては、端末設定からバッテリーの設定で「高パフォーマンスモード」を有効にすると、症状が緩和されます。ただし、画面描画が若干カクカクした表示になる症状は残りました。

バッテリー容量は4000mAhとやや大きいほう。「高パフォーマンスモード」をオフにして省電力モードを有効のままで使うなら、2~3日は問題なく使えそうです。

ただし、高パフォーマンスモードでないと使いづらいNHKプラスのようなアプリを利用する場合、電池持ちは短くなるでしょう。試しに、満充電から2時間半ほど動画を再生し続け、さらに30分ほどWebブラウザを使ってみたところ、電池残量は54%になりました。状況にもよりますが、朝持ち出して夜充電するスタイルなら、電池持ちが問題になることはなさそうです。

充電は最大10W(5V/2A)をサポート。本体にケーブルと充電器は付属せず、別途USB Type-C対応の充電環境を用意する必要があります。

OPPO A55s 5Gでウィークポイントの1つとなっているのが、生体認証です。指紋認証は非搭載で、「インカメラを用いた顔認証」のみに対応。顔認証は、インカメラで得られるデータのみを用いて認証します。AppleのFaceIDのようなに専用のセンサーを使わないタイプで、認証の精度としては劣るとされています。

この顔認証は、マスクを装着した顔では登録できません。いつまで長引くか分からないコロナ禍においては、やや不便に感じるかもしれません。もっとも、筆者が試した範囲では、タブレット端末で撮った写真をタブレット表示でOPPO A55s 5Gに見せても、さすがにロック解除されることはありませんでした。

OPPO A55s 5Gの良いところをまとめると、以下のようになるでしょう。

一方で、処理性能は価格相応な面も。一部の動画アプリとの相性の悪さなど、気になるところもあります。カメラも画質はともかくとして、夜景で手ぶれしやすい点は気になるところです。

とはいえ、5Gと防水に対応しているスマホの中では、群を抜く安さというのは間違いないでしょう。3万円台の前半という価格設定なら、MVNOのセール販売のタイミングを狙えば、1万円台で手に入る可能性も考えられます。

5Gは今がまさに展開の途上にあり、特に東京23区では多くの場所で高速な通信が利用できるようになっています。お手ごろな価格で5Gを試したいという人が最初に手に取るスマホとして、このOPPO A55s 5Gを選ぶ価値はあるでしょう。

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