テレビ通販で売れる「グルメ」はバイヤーのこだわりも半端ない 11/17&12/8には24時間グルメ特番も放送!
CS放送やスカパー!、ケーブルテレビなどで視聴できるショッピング専門チャンネルの「ショップチャンネル」――
司会進行役の「キャスト」と商品を熟知する「ゲスト」が掛け合い、旬のアイテムを生放送で紹介。女性に人気の「ジュエリー」「ファッション」「コスメ」「美容・健康」「家電」などから毎週約500アイテムを取り扱っている。
売上の15%を占めるのが「グルメ・その他」カテゴリだ。ショップチャンネルの主な購買層は40代以上の女性――自身で料理してきた経験も豊富、商品価格にも敏感な客層と言える。半端な商品ではそっぽを向かれてしまう。
ショップチャンネルでは、そんな彼女らのお眼鏡にかなう「こだわり」の商品を育て上げ確固たる人気を確立している。たとえば、ショップチャンネルで1日に最も売れた販売個数記録を持つ商品は「まるごと数の子黄金松前漬」で、なんと1日で68,202セットを販売したという。
2021年10月、そんなショップチャンネルのグルメプレスブリーフィングが行われ、商品の特徴やバイヤーのこだわりが明かされた。
「メーカーさんの商品をそのまま販売するということはほとんどない」「私たちが欲しいもの、お客様が欲しいものは何だろうと今一度立ち返り、一つ一つの商品をメーカーさんとともに作っている」
今回は、そんなショップチャンネルの売れ筋商品と、数々の「こだわり」を紹介しよう。
ショップチャンネルではもともと長野のリンゴジュースを販売していた。いいジュースではあるものの甘みは強く、「甘過ぎず、しっかりとした味わいのもの」が欲しいと考え新商品を企画。青森県のJAアオレンと協力して作り上げた。
青森県産のふじりんごをベースに、王林、ジョナゴールドの3種類を中心にブレンド。1缶にりんご約1個分(平均280g)相当の果汁をぎゅっと詰め込んでいる。
一般的なりんごジュースとは異なり、酸化防止剤や香料を使っていない。JRアオレンの独自技術「密閉絞り」で濃縮還元とは異なる味わいに。
美味しいバターの産地として世界的に知られるブルターニュ。そのバターを贅沢に使い、昔ながらの製法にこだわったクッキーを作るには、現地のメーカーしかない――そんな思いからブルターニュ地方のメーカーに問い合わせた。
クッキーは3種類に厳選し、ゲランドの海塩を使ったものを1種類だけ混ぜた。高温多湿な日本の環境にあわせ、3~4枚ずつ個包装にして「しける」のを防いでいる。
フランスからの商品ということで容器も含めて楽しめるよう、缶メーカーも訪問。オリジナルデザインの缶も作り、さらにクッキーが割れないよう試行錯誤した中紙を入れている。
マヌカハニーは1年のうち夏の1ヶ月程度しか咲かないマヌカの花から採蜜される蜂蜜のこと。味・テクスチャ―・香りなどでロットごとに大きな差が出てしまわないよう、養蜂から製造まで一貫して生産ができるニュージーランドのメーカーに行きついた。
毎日美味しくいただけるよう、クセのないすっきりとした甘さのものを選定。もちろん輸送時に品質が変わってしまわないよう、ニュージーランドから冷蔵コンテナで輸入している。
「たっぷりとフルーツを塗っているかのようなジャムを食べたい」――しかし、贅沢に作ると毎日気軽には食べられない贅沢品になり、安くすれば具材の寂しいジャムになってしまう。
そんな問題を解決してくれたのが、当時まだ新しかったデンマークのメーカーだ。日本でジャムと呼べる基準をはるかに上回る量の果実を使用し、ジャムの味わいや香りを保つためにことこと煮込んで作り上げた。
素材にも厳選を重ね、たとえばいちごはヨーロッパ産の露地栽培のいちごを一個一個手摘みしたものを使用。甘さの中にいちご本来の香りやすっぱさも感じられるもので、粒粒感もある。
「難しい商品」と担当者は述べる。しかしいちごジャムは累計で145万瓶、ブルーベリーは109万瓶販売した。輸入するごとにメーカーとお互いに検食し改善を続け、他のジャムとの差別化を図っている。
「美味しいお米を知るお客様にこそ美味しいパックご飯を紹介したい」――そんな思いから選ばれたのは富山県入善町のこしひかり。名水百選にも選ばれた、富山県黒部川扇状地湧水群の湧水で炊き上げている。
酸味料を入れずに美味しく製造するためには、綺麗な空気、美味しいお米と水が必要だ。行きついたのは富山県入善町の(株)ウーケ。商談を重ねて、市場にはほとんど出回らない入善町のこしひかり100%のパックご飯が誕生した。
ショップチャンネルには60代以上の視聴者も多い、そんな方々にお届けできるオリーブオイルはどんなものか。ヨーロッパのオリーブオイルはポリフェノールの含有量が多く、向こうで人気のあるものであっても日本人の口に合わないことは多い。日本料理にも合う、フルーティーな甘みと香りで作ってもらうには……そんなブレンドができるメーカーを探したところ、イタリアのオリタリア社に行きついた。
現地で何度も試作・ブレンディングを行った末に納得できる味に仕上がった。ブレンドの配合も、毎年新物のオリーブオイルができる度に微調整することで商品の質を安定させている。今年はコロナ禍ということもあり、リモート会議で打ち合わせをしながら作り上げた。
商品を安定させ、長持ちさせるためにはフィルターで濾すのが通例。しかし、この商品は極めて稀なノンフィルタータイプ。ずっと攪拌させる必要があり、メーカー側で保存するのはコストもかかる。色んなものにかけて食べられ、和食にも合うオリーブオイルを作るためには、それだけの手間暇がかかるというわけだ。
青森県むつ湾産のほたて、それも生のまま食べられるほど鮮度の良いものだけを贅沢に使用した貝柱の水煮缶。
むつ湾で約1年かけて育てた養殖ほたてを旬の4月~8月に水揚げ、急速冷凍して工場に運び、高温でさっと湯通しすることでうまみを閉じ込めた。ほたての貝柱の弾力とスープの配合にもこだわりがある。
ショップチャンネルではアレンジ料理などを見せながら紹介している。2015年から販売を開始し、これまでに累計で35万缶売れている。
ミルクの質の良さからか、世界的に人気のあるスイスのミルクチョコレート。ショップチャンネルではスイスの老舗チョコレート会社「ビラーズ」の商品を発掘し、オリジナル缶とセットでお届けをする企画を創り上げた。
元々はホテルやコーヒーショップで食後のコーヒーなどと一緒にお出しするような、業務用のサイズ商品だった。これを飽きないように5種アソートし、たっぷり食べてもらえるよう「缶には入りきらないくらいの量にしてほしい」とお願いした。
種類はカカオの豊潤な香りが楽しめるダーク、ミルクとカカオの風味をバランス良く感じられるミルク、イタリア産ヘーゼルナッツをローストしたものを加えたヘーゼルナッツ、ほろ苦く濃厚なキャラメルチップを加えたキャラメル、ビターチョコレートにコーヒークリスプを加えたコーヒーの5種。
仙台の牛たん専門店「利久」――現在は宮城県のみならず全国に展開し、いつも行列のできる人気店として名を馳せている。
人によっては「救われる味」かもしれない。というのも、東日本大震災の際、工場も被災して大変な思いをしていながらも、「利久」は現地のお店として炊き出しを実施していた。
ショップチャンネルで扱うのは、煮込みに適したタン下を贅沢に使用した牛たんシチュー。手づくりドミグラスソースとともに牛たんを長時間かけて柔らかく煮込んだ逸品だ。一つ一つの牛たんが大きすぎるため、わざわざ手で入れなくてはならないほど。
小豆を使う商品の中でもひときわ製造が難しいのが、豆の形を残し、そのまま添加物を入れずに作り上げる缶詰だ。色が悪くならないようph調整剤等を入れるのが通例だが、それらを入れず、豆と砂糖だけで作り上げた。
小豆の品種は十勝産の「きたろまん」に限定。砂糖や食塩も北海道産にこだわり、粒立ちも良く香りある商品に仕立てた。
砂糖をできるだけ抑え、缶のままそのまま食べられると言っていただける商品に。根強い人気で年々販売数を伸ばしている。
ショップチャンネルではグルメ商品「のみ」を24時間紹介する特別番組を年に5回放送しており、数ある食品の中から「お祭りを盛り上げる」ということでお値打ち商品をセレクトしている。今回紹介された商品の他にも、バイヤーが選定したこだわりのグルメが揃う。
2021年11月17日(水)には「美味しい年越し!絶品グルメ」と題して年末年始のお仕度向けにおせちなどの商品を用意。また2021年12月8日(水)には「食の祭典!24時間グルメ祭り」を放送。一年間の集大成として特に人気の商品(今回ご紹介した「利久」牛たんシチュー、十勝きたろまん ふっくらあずき等)を用意しているという。