9歳の作文「亡くなった姉に会える」 心打たれた94歳から標本届く

大好きなチョウを通じて、亡くなったお姉ちゃんに会える気がする――。千葉県の9歳の女の子がそんな思いをつづった作文が6月、朝日新聞教育面に載った。それを読んだ神戸市の94歳の男性が、自宅にあった珍しい標本を贈った。女の子は標本を気に入り、さらなる愛情をチョウに注いでいる。

千葉県館山市の小学4年、松居日緒(かお)さん。チョウの一種である「紅小灰(べにしじみ)」の漢字を毛筆で書き、小中高校生の書や絵を紹介する「子どもギャラリー」のコーナーで掲載された。

 9歳の作文「亡くなった姉に会える」 心打たれた94歳から標本届く

同時に紹介された作文で、日緒さんが生まれる前の14年前、事故で亡くなったお姉さんへの思いをつづった。小さいころから通う、お姉さんのお墓にチョウがよく舞っていたこと。「お姉ちゃんが会いに来てくれたのかも」と思うようになったこと――。

小学校に入る前から、自宅に飾られた写真で知る姉の姿を、自然とチョウに重ねていたという。小学校中学年になると、チョウへの情熱はさらに増した。自宅の庭で寝そべって眺めたり、公園で友達と一緒に追いかけたり。学校の宿題の「自学ノート」に昆虫図鑑などで調べたアゲハチョウの生態をまとめ、ヤマキチョウやウスキシロチョウの絵を描いた。

近所の人にもチョウ好きで知られ、何度か幼虫をもらった。インターネットの動画サイトで飼育方法を学び、専用のかごにいれてモンシロチョウやツマグロヒョウモンを羽化させ、放した。「動いているのを見るのが好き。一生懸命な感じがする」。祖母の勧めもあり、チョウについて書いた作文と書を朝日新聞に送った。

記事を見た神戸市北区の花岡…

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