【西川和久の不定期コラム】Snapdragon 855とフリップカメラを採用した「ASUS ZenFone 6」 - PC Watch

 ノッチが必要なのは、前面カメラをどこかに埋め込む必要があり、そのスペースにパネルを付けられないためだ。目立たなくする方法としては「できるだけ面積を狭く」、またはOPPOのように「通常カメラ部分は本体内にあり使用時にポップアップ」これによって完全にノッチレスにする……など、ある意味、方法は限られていた。

 そこに登場したのが、今回ご紹介するASUS「ZenFone 6」に搭載したフリップカメラだ。通常は一般的な背面カメラと同じ位置に標準と広角カメラがあり、前面切替時に自動的に180度フリップして背面カメラをそのまま前面カメラとして使用する。

 この方法のメリットは、上にポップアップする仕掛けと異なり、前面カメラと背面カメラに同じセンサーが使用でき、性能も同じにできること。自撮りが多いユーザーは写りに差が出ないため、とくに効果的だろう。

 加えてセンサーやレンズなどが減るためコストダウン可能(ただし構造的にコストアップするため最終的な加減はどうなのか不明)、さらに180度だけではなく途中の角度を扱えることで、撮影時に幅ができる、オートパノラマ可能、といった特徴があげられる。

 欠点は、なんといっても機械的に動くため(工夫しているだろうが)故障しやすいことだろう。ポップアップ式より複雑な構造なので、さらに故障率は高そうだ。結果どう出るかは、実際長期間使用しないと分からないところもある。

 カメラ以外としてはSnapdragon 855/6GB/128GB(8GB/256GBもあり)、6.4型、Android 9なスマートフォンとなる。おもな仕様は以下のとおり。

ASUS「ZenFone 6」の仕様
SoCSnapdragon 855(1コア2.8GHz+3コア2.42GHz+4コア1.7GHz、Adreno 640 GPU内蔵)
メモリ6GB
ストレージ128GB
OSAndroid 9 with ZenUI 6
ディスプレイ6.4型IPS式フルHD+(2,340×1,080ドット)、画面占有率約92%、Gorilla Glass 6、DCI-P3比100%、NTSC比96%、HDR10対応
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5、NFC(Type A/B)
SIMNano SIM×2カードスロット(DSDV+デュアルVoLTE)
対応バンドFDD-LTE: 1/2/3/4/5/7/8/18/19/26/28TD-LTE: 38/39/41/46W-CDMA: 1/2/3/4/5/6/8/19GSM/EDGE: 850/900/1,800/1,900MHz※キャリアアグリゲーション: 5CA(DL)/2CA(UP)
インターフェイスUSB Type-C、microSDカードスロット、3.5mmイヤフォンジャック
センサー加速度/電子コンパス/光/近接/指紋/ジャイロ
位置情報GPS/A-GPS/GLONASS/Beidou/QZSS
カメラ4,800万画素(f/1.79)+1,300万画素(広角)
サイズ/重量75.4×159.1×8.4-9.1mm(幅×奥行き×高さ)/約190g
バッテリ5,000mAh
カラーバリエーションミッドナイトブラック、トワイライトシルバー

 SoCはオクタコアのSnapdragon 855。1コア2.8GHz+3コア2.42GHz+4コア1.7GHzのCPUを内蔵し、GPUとしてAdreno 640を備える。8系なのでハイエンドなSKUだ。メモリ6GB、ストレージ128GB(UFS 2.1)。モデル違いで8GB/256GBも用意されてる。OSはAndroid 9 with ZenUI 6。

 ディスプレイは、6.4型IPS式フルHD+(2,340×1,080ドット)。先にあげたフリップカメラによりノッチレスで画面占有率約92%。Gorilla Glass 6を採用し、DCI-P3比100%/NTSC比96%と色域も広い。HDR10対応だ。

 ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5。NFCはType A/Bのみ。SIMはNano SIM 2つとmicroSDカードが同時使用可能。DSDV+デュアルVoLTEで対応バンドは表のとおり。

【西川和久の不定期コラム】Snapdragon 855とフリップカメラを採用した「ASUS ZenFone 6」 - PC Watch

 インターフェイスはUSB Type-C、microSDカードスロット、3.5mmイヤフォンジャック。このクラスの割に3.5mmイヤフォンジャックがあるのは個人的にはポイントが高い。センサーは加速度/電子コンパス/光/近接/指紋/ジャイロ。位置情報はGPS/A-GPS/GLONASS/Beidou/QZSSを内蔵する。

 カメラは先に説明したとおり、前面/背面の区別はなく、4,800万画素(f/1.79)+1,300万画素(広角)。標準と広角の画素数がアンバランスであるが、詳細はカメラの説明をご覧頂きたい。

 カラーバリエーションはミッドナイトブラック、トワイライトシルバーの二色。サイズは75.4×159.1×8.4-9.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量約190g。バッテリは5,000mAhを内蔵している。税別価格は下位モデルで69,500円、上位モデルで82,500円だ。

画面占有率約92%でノッチもハードウェアナビゲーションボタンもない背面。トワイライトシルバー。中央上に本機独自の「フリップカメラ」。その下に指紋センサー左側面にNano SIM/microSDカードスロット。下側面に3.5mmイヤフォンジャック、Type-C、スピーカー右側面、上から順にスマートキー、音量±ボタン、電源ボタン奥からSIM1、SIM2、microSDカード付属品。ソフトケース、ACアダプタ(サイズ約50×40×25mm、重量57g、出力5V/2A,9V/2A)、USBケーブル、イヤフォンとイヤーパッド重量は実測で202gと、仕様より少し重い

 筐体はメタリックな感じで質感も高い。パネルが6.4型、重量は実測で200g超えと、少し大きく重いものの、バランスがいいのか、持った時にズッシリせず、また持ち難い感じもない。

 前面は画面占有率約92%でノッチもハードウェアナビゲーションボタンもない。背面は中央上に本機独自の「フリップカメラ」、その下に指紋センサー。左側面にNano SIM/microSDカードスロット。下側面に3.5mmイヤフォンジャック、Type-C、スピーカー。右側面は上から順にスマートキー、音量±ボタン、電源ボタン。SIM/microSDカードスロットは奥からSIM1、SIM2、microSDカードと3つ全部同時に使用できる。

 一般的なスマートフォンと比較して1つ増えている「スマートキー」は、Googleアシスタントをサクッと呼び出せるボタンだ(シャッターとしても使用可能)。

 付属品は、ソフトケース、ACアダプタ(サイズ約50×40×25mm、重量57g、出力5V/2A,9V/2A)、USBケーブル、イヤフォンとイヤーパッド。Quick charge 4.0/18Wの急速充電に対応している。

 ディスプレイは6.4型IPS式でフルHD+(2,340×1,080ドット)。明るさ、コントラスト、視野角は良好。DCI-P3比100%/NTSC比96%のため壁紙になっているエメラルドグリーンの海など発色も結構良い。狭額縁だが、持って画面を見る時に、一部手で覆われないよう、ギリギリの幅だ。

 振動やノイズはもちろん皆無。発熱はベンチマークテストやカメラ連続使用などで少し熱くなるものの、十分許容範囲に収まっている。

 サウンドは筐体全部を使って鳴らす感じで非常にパワフル。イヤフォン出力も同じ傾向で筆者の好きなジャズやロックがガンガン鳴る。ただ迫力がある反面、繊細さには欠けるためクラシック系などは苦手かもしれない。

【お詫びと訂正】初出時に、モノラルスピーカーとしておりましたが、ステレオ対応でした。お詫びして訂正させていただきます。

 Bluetoothは、SBC/AAC/aptX(HD)/LDAC/aptX Adaptive/aptX TWS+に対応(開発者向けオプションで確認)。加えてHi-Res/DTS X Ultraにも対応する。

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