ひょんなことがきっかけで山を買ってわかった事~電柱があれば電力会社から賃貸料が入るらしい
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52コメント52件田舎に住むつもりで物件を探してみたら……。山を買ってみた男の体験記です(写真:Hiroko/PIXTA)
投資といえば、株やFX、不動産への投資が思い浮かぶでしょう。しかし今、「山」に投資するという新たな取り組みにチャレンジしている1人の男がいます。永野彰一、31歳。次々に山を購入する彼は、その体験を新刊『一生お金に困らない山投資の始め方』にまとめて出版しました。山に投資する意味は?メリットは?リスクはないのか?3回にわたり永野氏がお伝えします。 「山を買う」というと、何千万円とか何億円という莫大な購入費用が必要になり、「とても自分にはできない」と感じる人も多いのではないでしょうか。でも、実際にはそれほどお金をかけずに購入することができます。
まずは、僕がなぜ山に投資することになったのか、そのきっかけについてお伝えしていこうと思います。■なぜ山に投資することになったのか 僕が初めて山を購入したのは、5年前の2017年12月のことです。新潟・佐渡市の佐渡島にある山でした。最初から山を買おうとしていたわけではなく、自分で住むための家を少しでも安く購入しようと交渉している過程で、山の話が持ち出されたのです。 「売り主が山の処分に困っているんです。山も一緒に引き取ってくれるなら、戸建てをもう少し安くできますよ」
不動産会社の人から、こんな提案がもたらされたのです。僕が買いたいと思っていた戸建ては、元々の販売価格は200万円でしたが、粘り強く値引き交渉をして、4分の1の50万円まで値段が落ちてきたところでした。 「もうちょっとだけ、何とかなりませんか?」 ダメ元で最後のひと押しをしたら、山の話が出てきたのです。その山は約100坪くらいの小さな山でした。山を一緒に引き取れば、戸建てが安くなる……。すぐにはピンときませんが、何か面倒な仕掛けが待っているような不安も感じました。
僕が交渉している戸建てはその山のエリアにあるため、山の固定資産税が丸々かかってくることがわかりました。固定資産税の免税点(一定金額に満たなければ課税しないとするその金額)は30万円以下ですから、山の評価額が30万円未満ならば税金はゼロですが、30万円に達すると年間5000円くらいの固定資産税を払う必要があります。 そこに戸建てがあるわけですから、合算すると免税点の30万円を軽く超えてしまうことは確実で、仮に山が20万円だとしたら、そこに1.4%の固定資産税がかかって、年間2800円の維持費が発生するのです。ここまでを理解してから、僕は不動産会社の人にこんな提案をしました。
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最終更新:東洋経済オンライン