意外なところが“大進化” パナソニックの新型タフネスタブレットをじっくり試す(1/4 ページ)

 パナソニックの「TOUGHBOOK FZ-G2」は、同社のタフネス端末ブランド「TOUGHBOOKシリーズ」から登場した最新の10.1型Windowsタブレットだ。先代の「TOUGHBOOK FZ-G1」と比べると、「モジュラー構造」による拡張性の向上、準拠する耐環境基準のアップデート(MIL-STD-810G→MIL-STD-810H)、高輝度液晶パネルの採用、キーボードベース(別売)へのRGBバックライトの採用など、多岐に渡るアップデートが施されている。想定販売価格は25万2000円(税込み)からとなる。

 アップデートの内容をよくよく見ると「あれ? TOUGHBOOKってゲーミングPCじゃないよね? 何でキーボードベースにRGBライトを積んだの?」と疑問に思う人もいるだろう。しかし、“過酷な現場”を知る人からすると「さすが! 現場をよく知っているからこそできる機能改善だ」と思うはずである。

 「現場を知っているからこそできる機能改善」とはどういうことなのだろうか。この記事では、“過酷な現場だからこそ意味がある”FZ-G2の実力を検証していく。

10.1型Windowsタブレットの新モデルとして登場した「TOUGHBOOK FZ-G2」は、拡張性と野外での使い勝手を強化したことが特徴だ

業務マシンだから重視したい「防じん/防滴」と「高い拡張性」

 その登場当初から、TOUGHBOOKシリーズは「丈夫さ」と「防じん/防水(防滴)性能」を最も重要な“仕様”と訴求してきた。一方で、TOUGHBOOKシリーズは業務用PCとして求められる拡張性も重視しており、本体に多様な拡張ポート(インタフェース)を標準で備える他、購入時にオプションコンフィグサービス(BTOオプション)を行使することで、追加の拡張ポートやバーコードリーダーなどを搭載することもできる。

意外なところが“大進化” パナソニックの新型タフネスタブレットをじっくり試す(1/4 ページ)

 しかし、「丈夫さ」「防水/防じん性能」と「拡張性」の両立は案外難しい。例えば標準の拡張ポートは、普段は頑丈なふたで覆われている。当然ながら、このふたを外した状態で使うと、丈夫さと防水/防じん性能は大きく低下する。また、オプションコンフィグサービスは購入時オプションであるため、「後からバーコードリーダーを追加で内蔵したい」と思っても、それはできないことになっている。

 今回登場するFZ-G2では、標準ポートにあるふたは撤廃できなかったものの(丈夫さや防じん/防水性能を維持する観点では正しい)、追加の拡張ポートやバーコードリーダー類を後から交換/追加できる設計に改められた。具体的には、本体背面に2つの「拡張エリア」が設けられ、以下の「アタッチメントオプション」を後から装着できるようになった。

  • 拡張エリア2に装着できるアタッチメントオプション
  •  用途に合わせてアタッチメントオプションを取り換えて使えば、用途が変わっても同じ本体を使い回わせる。アタッチメントオプションが故障した場合、交換も自分で行えるのでダウンタイムも減らせる。利便性はとても良くなった。

     「防水/防じん性能を保てるの?」と不安になる人もいるかもしれないが、FZ-G2では、拡張エリアをラバーパッキンでしっかりと保護している。パナソニックが指定するトルク(※1)でネジ止めすれば、しっかりと防じん/防水性能を維持できるので安心してほしい。

     なお、FZ-G2はバッテリーも着脱できるようになっている。JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)に基づく連続駆動時間は、付属バッテリー装着時が最長約18.5時間、別売の大容量バッテリー装着時が約26時間となる。キーボードベースを装着した場合は、駆動時間が約1時間ほど短くなる。

    (※1)0.45 Nm(±0.05Nm)または4.5kgf/cm(±0.5kgf/cm)

    拡張エリアは本体背面にある。標準状態ではダミーカバーが取り付けられている本体上部。赤い枠で囲った部分には、拡張エリア1にアタッチメントオプションを装着した際にポート類などが配置される。バッテリーも着脱可能な構造となっている拡張エリア1にバーコードリーダーを取り付けた図

     本体のポート類は、左側面にUSB 3.1 Type-C端子、USB 3.0 Type-A端子、有線LAN(1000BASE-T対応)を1基ずつ、右側面に電源入力端子を備える。USB 3.1 Type-C端子は、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している。

     ポート類はパッキンが施されたカバーで、電源入力端子はスライド式のカバーで保護されている。防水/防じん性能をしっかり確保するには、これらをしっかりと閉じて使おう。

     底面には別売のキーボードベースやクレードルを装着する際に利用する拡張バスコネクターが設けられているが、ここはカバー類で保護されていない。ただし、このことは耐衝撃性能や防水/防じん性能には支障しないので安心してほしい。

    左側面本体のポート類にアクセスするにはカバーを開ける必要がある。USB 3.1 Type-C端子はUSB PDによる電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している右側面電源端子にはスライド式のカバーがある。これをしっかり閉じないと、キーボードベースを装着できないので注意しよう底面には拡張バスコネクターと、キーボードベースの位置合わせガイドの差し込み口がある新しさと耐久性/信頼性のバランスを取ったスペック

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