Ryzen Threadripper PROの“自作PC”が映像制作で使われていた! STUDの岡田氏を訪ねる

たくさんのアプリの同時立ち上げには多コアが必須

――岡田さんの現在の仕事内容からお聞かせいただけますか?

岡田 ジャンルでご説明するのは難しいのですが、分かりやすくまとめると、リアルタイム3Dグラフィックスを使ったビジュアライズ全般をやらせていただいております。

 より具体的にお話ししますと、昨今よく名前を聞くゲームエンジン「Unreal Engine」を使用して、映画とかドラマの映像制作、イベントや音楽ライブの会場演出、あるいは美術館、博物館のイベント展示など、なにかインタラクティブなものを作ることが私の仕事です。

――PCでどのような作業をやっていらっしゃいますか?

岡田氏(以下、敬称略) 私は肩書きとしてはテクニカルディレクターとして仕事をさせていただいているんですけれども、まず一番大きな仕事上の役割としては「フィジビリティチェック」と呼ばれる、こういうことをやりたい、こんな企画がある、こんなアイデアがあるというときに、それが技術的に実現可能かどうかを判定し、こういった技術、機材、予算でできますよとチェックする仕事です。このオフィスで本番に先立って実験して、機材の組み合わせや、その上で動くプログラムを開発し、実際にその仕事を現場で担当することが主な仕事になります。

インタビューはスタッドの新オフィスで行なった。ここでは本番に先立った機材テストなども実施される

Ryzen Threadripper PROの“自作PC”が映像制作で使われていた! STUDの岡田氏を訪ねる

――実際にどのようなアプリケーションを使うのでしょうか?

岡田 起動している時間が一番長いのは「Visual Studio Code」です。その次に「Unreal Engine」。それに合わせて、Adobeさんの「Creative Cloud」がらみ全般。中でも「After Effects」、「Premiere」、「Photoshop」、「Illustrator」。ほかにも「Autodesk 3ds Max」などの3Dソフト。あと「Blender」も使いますね。「Substance 3D」も利用しています。

――そのようなアプリケーションを使うにあたって、なぜ「Ryzen Threadripper PRO」搭載マシンを選んだのでしょうか?

岡田 一言では難しいのですが、いくつもいいところがありますよ。まず、分かりやすいところではコア数が多いことは非常にありがたいですね。

 先ほど挙げたアプリケーションはそれぞれ1つ1つがそこそこ重いアプリです。私共の仕事では範囲の広い検証を行なうので、それらのアプリを全部立ち上げたりするんです。例えば普通の16コア以下のマシンだったら、「After Effects」を立てて、「Premiere」を立てて、「Photoshop」を立ててしまったら、それでおしまいになると思いますが、私たちはさらに「Unreal Engine」が入ってきて、「Blender」が入ってきて、レンダリングを始めちゃったりするので、もうコア数がえらいことになります。そのような意味で多コアのチョイスがあることが1つの大きな理由ですね。

 もう1つが、そのような検証にあたり、PCI Expressバスにいろんな拡張カードを挿すことになるのですが、普通のRyzenや、Intelさんの普通のCore i7、i9系のCPUだとPCI Expressのレーン数が足りません。物理的にスロット数も足りないですし、仮に足りたとしてもx4、x4、x4、x2みたいな感じでバラされちゃったりするので。

 Ryzen Threadripper PROだと7本付いていて、全部x16というのは非常に魅力的です。今回Ryzen Threadripper PROを導入した一番の理由はこれですね。

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