2000円を返せ! 怒りまくる46歳相談者「中学生の話を聞いているみたい」 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(1/2 ページ)

「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜 配信)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは6月21日(金)放送の加藤諦三パーソナリティー回。

SNSで知り合った友人に貸したお金が返ってこないという相談なのだが、予想外にみみっちい話へと展開していく。

パーソナリティ:加藤諦三(評論家)、今井通子(作家・登山家)、ドリアン助川(作家・ミュージシャン)、柴田理恵(女優・タレント) イラスト/北村ヂン

相談者は46歳の独身男性。両親、45歳の弟と4人で暮らしているという。

SNSを通じて7年前に知り合い、3年前から(相談者の認識では)友人として付き合っている人に金を貸したのに返してもらえないという。金銭トラブルは人間関係にまつわる悩みのド定番ではあるが、この相談者の場合、貸した額がなかなか衝撃的なのだ。

最初に貸したのは、「タバコを買うお金がない」ということで立てかえた4〜500円。二度目は、相談者から「カラオケに行こうか」と誘ったということで、友人の分までカラオケ代を支払った1000円。

ここまでの約1500円は、相談者の方から「返さなくていいよ」と言って支払っているため、「貸した」というよりは「おごった」ものだと考えていいだろう。問題はこの次だ。

タバコ代、カラオケ代を払ってくれたことで、調子に乗ってしまったのか、今度は友人の方から「ライブに行きたい」「お金ないから貸して」と頼んできたのだという。

「いくら貸したんですか?」

「2000円です」

瞬時に、加藤諦三のテンションが下がったのを感じた。なんと今回の相談は「2000円を返してもらえない」というみみっちい悩みなのだ。

「『ちゃんと返してね』っていう感じで言って渡したんですけど、2カ月以上経っても全然連絡もなくて、相手の方からSNSの友達を削除しちゃったんです。勝手に切られて」

この友人、SNSで知り合ったものの、出身中学が同じだったりと、リアルな住居も近所にあるらしい。しかし直接会いに行って返すように言っても、「まったく返すそぶりも何もない」という。

2000円程度の借金なので忘れちゃった……というわけでもなく、相談者が催促をしても無視。なおかつSNSのフォローも解除してしまう。この友人にもいろいろと問題はありそうだ。

「それで今日のアナタの相談というのは、この2000円の……?」

「お金を返して(もらって)、もう縁を切りたいんですよ。完全に」

金額の大小関係なく、人から借りたお金は返した方がいいのは間違いないが、それにしても2000円で「縁を切りたい」とまで言ってしまう相談者の怒りの原動力は!?

最初の約1500円は「返さなくていい」と気前のいいことを言っていたのに、2000円にはどうしてここまでこだわるのか?

2000円を返せ! 怒りまくる46歳相談者「中学生の話を聞いているみたい」 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(1/2 ページ)

この日のアドバイザーは弁護士の大迫恵美子。……いや、弁護士に相談するような金額じゃないよ。

「その2000円がないと困るんですか?」

「今、ホントに困ってる状況で、バイトしたお金を少しずつ家の方に入れたりしているんですよ……」

おそらく「困るってことではないんですけど……」という返答を待ち、「だったらもう忘れちゃいなさいよ」的なアドバイスにつなげようと思っていたのではないかと想像するが、まさか2000円がないと困る状況だったとは。

「ホントに切羽詰まった状況だとすると、これを回収してあてるというのは、現実的じゃないんじゃないですか?」「アルバイトの方の仕事を増やすとか何とか、そっちを探さないと解決にはならないんじゃないですか?」

テレフォン人生相談に電話をして、何らかのアドバイスをもらって、なんとか回収に成功したとしても結局2000円。食うにも困るような切羽詰まった状況なのだとしたら、せいぜい2日分の食費くらいにしかならないだろう。

「どうも金を取り返すアドバイスをくれそうにないぞ」と感じたのか、ここから相談者は、友人をディスる方向にモードが切り替わる。

「その友人、仕事はしてるんですけど、賭け事してるんですよ。それで、賭け事してお金、なくなりますよね? で、なくなった時にまたお金を借りに来るっていう感じで、その他の友達にもやってるんですよ。同じ事を」

ん? 「ライブに行きたい」と言われて金を貸したのではなかったか?

「だからまあ、アナタが向こうのことに腹を立てるのは分かりますよ。分かるんだけど、アナタの生活の中で、この問題の位置づけっていうのが随分バランス悪くありませんか? だって2000円でしょ?」

たった2000円のことで相手の人生や生き方を批判し、他のことが手に付かないくらい怒り狂っているのは無駄だと指摘する。

「ハッキリこんなこと言うのも、若干心が痛むけどあえて言いますけどね。とてもね、46歳の人の話をしているように思えない。中学生ぐらいの話を聞いているみたいな気がする」

中学生だったら2000円で激怒するのも分かるけど、46歳だからね……。

ここでパーソナリティ・加藤諦三も口を挟んでくる。

「隠された敵意、怒りがあるんです」「この2000円で、その隠された怒りに火が点いたんです」

「分かります、自分も中学のときにいじめを受けていて。相手のことを憎んだりしたことありますよ。担任の先生とかも恨んで」「虐待も受けましたね。父方の祖父母に」

終盤に来て、すごい話が飛び出して来た。

「2000円、何の関係もないです。これは復讐なんですよ」

加藤諦三がよく言う「隠された○○」「真実の○○」シリーズ。今回の場合は、全体的にうまく行っていない人生への恨みを、2000円をきっかけに友人へとぶつけてしまっているということだろうか。

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