思考を妨げないデジアナ文具がさらに進歩! 「Neo smartpen M1+」

人生の7割ほどをデジタルデバイスと共に過ごし、考える速度でタイピングしてSNSへ投稿するほどの筆者ではあるが、なぜか仕事が絡んでくると、そしてパソコンを前にすると頭の回転が止まってしまう。もっとも、もともと考える速度自体が遅いのだが。

考えをまとめたり、書き出したりするのに、今でも重宝しているのが紙とペン。紙は何でもよく、A4サイズのリーガルパッドに広々と書き連ねることもあれば、後で要点の順序を入れ替えられるよう、付箋紙にバラバラに書き出すこともある。

原稿が完成し、納品が終わったら、書いた紙は捨ててしまう。部屋中、紙だらけになってしまうからだ。丸まった紙くずの散らかった部屋など、文豪っぽくはあるが。

困るのが、「あのとき、似たような構成だったけれど、どんなふうに書き出したっけか」と後々ヒントを求めたくなった場合。大抵の場合、思い出せるはずもなく、またゼロから構築することになる。

いっとき、書いたものをスキャンすることも考えたが、自分の筆記したものにスキャンするほどの手間をかける価値があるのか、となんとなくためらわれ、デスクの上の棚に立派なドキュメントスキャナーがあるにもかかわらず、気軽に使えていない。面倒くさがりなこともあり、ワンアクション取れずにいるのだ。

そんな筆者が注目しているのが、アナログで筆記したものを、シームレスにデジタル化してくれるデジアナ文具。その中でもさらに「これは欲しい。絶対に欲しい」と眼力(めぢから)のすべてを注いでいるのがNeoLABのスマートペン「Neo smartpen」(ネオスマートペン)だ。

ネオスマートペンとは、ペン軸の下の部分、つまり紙と面する箇所に搭載しているカメラが、ペン先を押し当てることで専用ノート(Nノート)に印刷されている独自パターンを読み取り、ストローク(筆跡)を記憶する、という仕組みの筆記具。デジタル化したいときは、スマホやタブレットにインストールしておいた専用アプリ(「Neo Notes」)を開いて、Bluetooth接続し、ネオスマートペンと同期させれば良い。

ペン軸の下の方、ペン先の左側に奥まって見えるのがカメラ部分。ここで、Nノートのパターン(Ncode)を読み取るNノートの拡大写真。「ちょっと紙がグレーがかっているかな」と感じるが、筆記していくぶんには気にならないレベルでNcodeが印刷されている。写真はコントラストを加工でアップしている

なお、Nノートのパターンは、ページごとに異なる、ユニークなもののため、「そういえば、このページのここに書き足すものがあったなぁ」と、後からイラストや文字を追加すれば、同期した時に追加分が自動的に反映される。デジタルだとかアナログだとかを意識しないでどんどん書いていけるアイテムなのだ。

思考を妨げないデジアナ文具がさらに進歩! 「Neo smartpen M1+」

すっかり成熟したかに思えた、ネオスマートペンテクノロジーだったが、2020年8月5日に、パワーアップした「Neo smartpen M1+」(ネオスマートペン エムワンプラス。以下、M1+)が登場した。

従来品の「Neo smartpen M1」(以下、M1)との大きな違いは、バッテリーの保ち。どちらも280mAhの内蔵バッテリーを搭載しているが、バッテリー効率をコントロールすることで、M1+はM1の約3倍、最大で連続約17時間の筆記が可能になっている。

「アナログで書いたものをデジタルに残したいのなら、iPadがあるじゃーん」と言われそうだし、実際にiPad ProとApple Pencilを使うこともあるのだが、仕事柄、インストールしているアプリが多すぎて、どのアプリに手書きしていたのかを開いては見て、開いては見て、とするのがまず面倒くさい。

ついで、ようやく「さあ、書くぞ」と意気込んだのに、Apple Pencilが充電切れ、ということがわりと頻発しているのだ。最新のiPad Proと第2世代のApple Pencilを持っていれば、こういうことにはならないのだろうが。

Neo smartpenシリーズなら、そういったストレスがない。手元にNeo smartpenと、Nノートさえあれば、余計なことを考えずにどんどんと書いていけるのだ。連続待機時間についての記載はないが、M1やさらにその前のバージョンのNeo smartpen N2では125日となっている。同じ程の期間、充電しないで済むのであれば、デジタルであることをほぼ気にする必要がない。本体の記憶容量もA4用紙約1000枚分、とのことなので、しばらくNeo Notesアプリと同期しなくても問題ないし。

Neo Notesアプリを立ち上げつつ筆記すれば、録音とストロークの同期も可能とのことだが、筆者に必要なのは書いたものを後からいつでも見直せることのみ。多分その機能を使うことはないだろう。とはいえ、議事録を作るような人には、役立つに違いない。

書いたものの検索も容易だ。手書き文字をデジタルテキストに変換してくれるため、検索ワードを入れれて探せば良いのだ。しかも、OneNoteやEvernote、Google Driveなどに自動バックアップすることもできるため、紛失の恐れがない。

これが、こうでこれが、こう。ほぼなぐり書きなのにかなり正確

……これは、最強なのでは……?

専用のNノートは、少しお高いが、そうはいっても大学ノートタイプが5冊組で2000円(税込)だし、モレスキンのようなハードカバータイプのプランナー手帳でも2020円(税込)なので、文具好きの人にとっては気にならないかもしれない。

いずれにせよ、思考を妨げずにどんどん書き出せ、自動的に(アプリやクラウドに)バックアップされる、という一連の流れは精神的な解放感につながる。パソコンを前にしたときとは比べ物にならないほど、考える速度が上がり、同じ時間内でできる作業が格段に増やせるというメリットを享受できるのが、このアイテムなのだ。

頭の中にあるものを書き散らすのに適している大きめのNノート「N college notebook」。売り切れてしまっているのが悲しい
製品名発売元実売価格
Neo smartpen M1+NeoLAB1万5500円(税込)

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