盆栽に料理も、趣味も極める72歳藤原組長の今 とことんまで突き詰める達人人生の秘訣
レジェンド戦士を直撃、藤原喜明組長【連載vol.3】
これぞ藤原喜明組長の達人人生の秘訣「藤原ノート」【写真:柴田惣一】
レジェンドプロレスラーの“今”と“あの時”に迫るインタビュー連載「レジェンド直撃」シリーズ第1弾のゲストは藤原喜明組長。ここまでアントニオ猪木への想い、波乱のレスラー人生で学んだ人生訓などを明かしてくれたが、第3回では高校生のころからの「工夫ライフ」から、ゴッチ教室で学んだことなど、自ら道を切り開いてきた人生を振り返った。(取材・構成=柴田惣一)【写真】「生の俺を見てくれ!」 リングに上がる藤原喜明組長は常に全力ファイトだ ◇ ◇ ◇――組長は何事も突き詰めるタイプですね 「プロレスも趣味もとことんやってみるな。俺って努力家なんだよ、結構。思えば小さいころからだよ。何事も自分で考えて工夫してみる。もっと何とかなんないか? そしてメモる。忘れちまわないようにな。コックをやっていた時なんて、チーフがやっているのを、じっと見て、家に帰って思い出しながら、書き留めた」――これぞ料理版“藤原ノート”ですね。「次の日、早く厨房に行って、昨日のは、こうだったかな? と冷蔵庫から材料を引っ張り出して自分でやってみる。味がちょっと違うな? なんだ? 色々と自分でやってみるんだ。家に帰ってからもやった。それで、他にやりようはないのか? と工夫するんだ」――すべて自分で試し、納得いくまでトコトン突き詰める?「盆栽でもそうだ。今頃は黒松の枝継の時期。40年以上、本も見ているし、他の人たちのやり方もチェックしているけど、3年前に俺流のやり方を生み出した。全く新しい方法だけど、成功しているんだ」――それはプロレスにも通じますね。「何事も、だよ。もっといい手があるはずだ、と考え試してみるのが大事だな。ゴッチさんに教わってノートに書くだろ。ここに力が加わって、ここが支点で……。ゴッチさんは『力じゃない』って言うんだけど、ゴッチさんは力が強いからね(苦笑い)。日本人は力では西洋人にはかなわないからな。彼らは肉食獣だからな。ずっと」――DNAレベルから違いますかね。「そうなんだよ。だから力じゃなく、もっと違う方法があるんじゃないか、と俺は頭をひねるわけだ。ゴッチさんは、言葉では細かくは教えなかったんだ。一度に10個ほど『ああだ、こうだ』とやってくれるんだけど、家に帰ったら覚えちゃいないわな。俺は『これじゃ、ダメだ』と、1日1個、頭に入れて、ノートに書きこむ、イラストもつけてな。『これはここが急所ってことか』と注釈をつけていったんだ」