毎秒2.7GBで神速!NVMe対応超高速SSD『Intel SSD750シリーズ』がヤバすぎる

インテルから“NVM Express”(Non-Volatile Memory Express、NVMe)対応SSD『Intel SSD750シリーズ』が登場した。本製品は、同社のコンシューマー向けSSDの中で最もハイエンドに位置し、前作730シリーズの後継にあたる製品である。従来のシリアルATA(SATA)ではなく、PCI Express(PCIe)を接続インターフェースに採用し、内部インターフェースの仕様も現在主流のAHCI(Advanced Host Controller Interface)ではなく、NVMeを採用している点が最大の特徴だ。

ラインアップは400GBと1.2TBモデルのみ 自作PC向けはPCIe拡張カード形状の製品がメイン

<750シリーズは、接続インターフェースに最大データ転送速度32GbpsのPCIe 3.0×4接続を採用し、“HHHL”(Half-Height Half-Length)と呼ばれるPCIe拡張カード形状の製品と2.5インチ形状の製品が用意されている。ただし、後者の2.5インチ形状の製品は厚さが15mmで、コネクター形状は“SFF-8639”を採用している。そのため、SFF-8639コネクターを備えたラックマウント向けの製品と言っても過言ではない。

<750シリーズは、400GBと1.2TBの容量の製品を用意しており、インテル製の20nmプロセス製造の128GbitのNANDメモリーを搭載。なお、今回試用したのはHHHL形状の1.2TBモデルである。

リード最大2400MB/s、ライト最大1200MB/s コンシューマー向け最強スペックを実現

<4KBランダムリード/ライト速度も圧倒的だ。SATA接続のSSDでは、高速な製品でも4KBランダムリードは100K IOPS、4KBランダムライトは90K IOPSほどしかない。一方、750シリーズは、400GBモデルで4KBランダムリードが430K IOPS、4KBランダムライトが230K IOPSとなっており、それぞれ約4倍、約2.5倍も高速だ。750シリーズは、これまでのコンシューマー向けSSDとは次元の異なる性能を実現した製品となっている。

Intel 9シリーズ以降ならOS起動も問題なし ドライバーはMS標準とインテル製が利用可能

<750シリーズは、コンシューマー向け初のNVMe対応SSDということもあり、そのパフォーマンスだけでなく、OS起動がきちんと行なえるのかという点に注目しているユーザーが多いはずだ。そこで、性能チェックの前にOS起動について説明しておこう。OS起動の検証を行なったのは、Windows 8.1 Update Enterprise 64bit版とWindows 10 TechnicalPreview 10041である。両OSは、ともにNVMe対応ドライバーを標準搭載している。

●検証環境 CPU:Intel Corei5-4460(3.2GHz) マザーボード:ASrock Z97 Extreme6 メモリー:16GB(Crucial BLT2K8G3D1608ET3LX0、8GB×2) グラフィック:Intel HD Graphics 4600(Corei5-4460内蔵) システムドライブ:TOSHIBA THNSNJ256GCSU(HG6y) OS:Windows 8.1 Update Enterprise 64bit版 電源ユニット:玄人志向KRPW-P630W/85+

CrystalDiskMarkはリード最大1630MB/sを記録 ドライバーによって性能差が発生

Intel SSD750(インテル製ドライバー)
Intel SSD750(マイクロソフト製ドライバー)
Intel SSD730

IOMeterでシーケンシャルリード2700MB/s シーケンシャルライト1300MB/sを記録!

 毎秒2.7GBで神速!NVMe対応超高速SSD『Intel SSD750シリーズ』がヤバすぎる

RAWモードで計測
ファイルモードで計測

複数タスクを利用することでランダム速度が向上 4タスク時に4KBランダムリードが1900MB/s超え

QD別の速度差
タスク別の速度差(RAWモード、シーケンシャル)
タスク別の速度差(RAWモード、ランダム)
タスク別の速度差(ファイルモード、シーケンシャル)
タスク別の速度差(ファイルモード、ランダム)
インテル製ドライバーで計測(ファイルモード)
マイクロソフト製ドライバーで計測(ファイルモード)

現役最強の性能を実現したSSD 専用ツールも準備されている点も魅力

OS起動時間を計測

<750シリーズは、従来のSATA接続の製品とは比較にならないほど高いポテンシャルを秘めてていることはベンチマークの結果で明らかになった。しかしその一方で、NVMeなどによって強化された部分は、ストレージに対して常にアクセスが発生するようなデータベースサーバーなどの用途に向けたものが多い。マルチタスクへの対応などはその最たる例だろう。このため、個人ユーザーの一般的な用途における恩恵は少なく、体感速度の向上にはあまり寄与していないと考えることができる。というよりも、SSDは現段階で十分に高速化されており、一般的な用途では多少の性能向上は体感し難くなっていると考えるべきだろう。

↑インテル製ドライバーのプロパティ画面。上位モデルDC P3700/P3600/P3500と共通のドライバーとなっている。
↑インテル製ドライバーの詳細画面。ファイル名は「IaNVMe.sys」となっている。
↑SSD Tool BoxのSecure Erase画面。ここで消去を実行するとFormat NVMeコマンドが実行される。実行には、Intel製ドライバーのインストールが必要だ。

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