安川電機の協働ロボ向けペンダント、垂直多関節ロボにも適用拡大

安川電機は、協働ロボット「MOTOMAN-HC」シリーズ向けのタブレット型プログラミングペンダント「スマートペンダント」の適用機種を小型垂直多関節ロボットにも拡大し、「スマート」シリーズとして提供を開始した。新たに「MotoMINI」「MOTOMAN-GP4」「同7」「同8」の4機種で、スマートシリーズを利用できるようになった(図1)。スマートフォンのような直感的操作を実現するとともに、初心者向けの機能を搭載する。

図1 「スマート」シリーズ(左)と、新たに対応した機種(右)(出所:安川電機)[画像のクリックで拡大表示]* 安川電機のニュースリリース:https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/206056

スマートシリーズは、サイズが10.1インチのタッチパネル式液晶ディスプレーを採用。従来のプログラミングペンダントの画面(5.7インチ)に比べ大きく見やすくなっている。併せて、物理的な操作キーを最小限に抑え、ほとんどの操作キーが必要なタイミングで画面上に表示されるようにした(図2)。操作すべきキーに迷うことなく直感的に操作できるとする。

図2 画面表示の例(出所:安川電機)[画像のクリックで拡大表示]

安川電機の協働ロボ向けペンダント、垂直多関節ロボにも適用拡大

操作キーの向きとロボットの動く方向が常に同じで、ロボットを操作者から見たままの方向へ動かせる「スマートモード」を搭載する(図3)。従来のプログラミングペンダントでは、常にロボットの座標系と操作キーの向きを意識しながら押下するキーを選ばなければならなかったが、スマートモードでは座標系を意識せずに操作できる。

ロボット言語についても使いやすさに配慮し、省略した形態ではなく、見れば意味を理解できる単語として用意している(図4)。あらかじめロボット言語を覚えていなくても、ティーチングやプログラミングをしながら習得できるという。一方で、従来の「MOTOMAN」シリーズで採用しているロボット言語への切り替えも可能となっている。

図3 「スマートモード」での操作イメージ(出所:安川電機)[画像のクリックで拡大表示]図4 ロボット言語の例(出所:安川電機)[画像のクリックで拡大表示]

初心者向けに「ガイダンス・ヘルプ表示機能」も装備する。メインメニューはいつでも表示可能で、そこから全ての画面にアクセスできるので、必要な画面の表示に迷いにくい(図5)。加えて、ユーザーが操作画面を理解しやすいように画面の随所に機能の説明を表示するアイコンを配置した。

図5 「ガイダンス・ヘルプ表示」機能のイメージ(出所:安川電機)[画像のクリックで拡大表示]

ロボットコントローラーは、小型・軽量の「YRC1000micro」と密閉型構造の「YRC1000」に対応しており、設置する環境に合わせて選べる。小物ワークの搬送・組み立てや検査・試験工程での利用を想定する。

関連記事