Snapdragon 636/メモリ6GB/デュアルレンズ搭載で帰ってきた「ASUS ZenFone 5」

 今回発表されたのは「ZenFone 5」、「ZenFone 5Z」と、「ZenFone 5Q」。5と5ZはSoCとストレージがおもな違い。5Zの方がより上位となる。5QはSoCやメモリ、パネルサイズなどは若干劣るものの、前面/背面カメラともデュアルレンズで、自撮りに強い構成だ。手元に届いたのはこの3モデルで主力の「ZenFone 5」。「ZenFone 4」の後継機の相当する。

 後継機は前モデルより作動が高速と言うのが一般的な認識だろう。その上でカメラ性能などが向上しているケースが多い。しかし「ZenFone 5」のSoCはSnapdragon 636、「ZenFone 4」のSoCはSnapdragon 660。SKUのナンバーからも分かるように、旧モデルの方が、若干ではあるが、性能の高いSoCを搭載している。この差をどう埋めているのか興味のあるところ。おもな仕様は以下の通り。

 なお、同時に発表されたZenFone 5ZはSnapdragon 845を搭載しているので、「ZenFone 4」と比較すれば明らかに高性能となっている。

【表】ASUS「ZenFone 5」の仕様
SoCQualcomm Snapdragon 636(オクタコア)/Adreno 509内包
メモリ6GB/LPDDR4X
ストレージ64GB
OSZenUI 5.0(Android 8.0ベース)
ディスプレイ6.2型/2,246×1,080ドット(Gorilla Glass 3)
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0
SIMNano SIMカードスロット×2
FDD-LTEバンドB1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B28
TD-LTEバンドB38/B39/B41
W-CDMAバンドB1/B2/B3/B5/B6/B8/B19
GSM/EDGEバンド850/900/1,800/1,900MHz
キャリアアグリゲーション2CA
インターフェイスUSB Type-C、microSDカードスロット(Nano SIMカードスロット兼)、マイク/ヘッドフォン・コンボジャック、デュアルスピーカーデュアルマイク
前面カメラ800万画素
背面カメラ1,200万画素+800万画素(広角)デュアルレンズ
センサーGPS(GLONASS、BeiDou、Galileoサポート)、加速度センサー、電子コンパス、光センサー、近接センサー、ジャイロスコープ、指紋センサー、RGBセンサー、NFC(Type A/B)
サイズ/重量約75.6×153×7.7mm(幅×奥行き×高さ)/約165g
バッテリ3,300mAh(Wi-Fi通信時約15.7時間、モバイル通信時約14.2時間)
カラーバリエーションシャイニーブラック、スペースシルバー
税別価格52,800円

 SoCはオクタコアのQualcomm Snapdragon 636、GPUにAdreno 509内包する。メモリは6GB搭載。この大容量メモリはZenFone 4同様、「OptiFlex」機能を搭載し、任意もしくは状況に応じて、アプリがメモリに常駐し高速切替を可能とする。ストレージは64GB。

 OSはAndroid 8.0ベースのZenUI 5.0を搭載。このZenUI 5.0は、「AI Display」(周囲の環境に応じてディスプレイの色温度を自動調整/見ている間はスリープしない)、「AIカメラ」、「AI着信音」(周囲の騒音レベルに応じて着信ボリュームを自動調節)、「AI充電」(就寝時に80%で充電を止めバッテリー寿命をのばす)、「AIブースト」、「AI Photo Learnig」と言った各種AIに対応したバージョンと位置付けられている。

 ディスプレイはGorilla Glass 3を採用した6.2型/2,246×1,080ドット。DCI-P3の色域に対応し、90%の画面占有率だ。また上部はiPhone Xなどでお馴染みのノッチがある。

 ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。そしてNano SIMカードスロットが2つ。対応バンドは表の通り。同社によると、DSDVと3社VoLTE対応はおそらく日本初とのこと。

Snapdragon 636/メモリ6GB/デュアルレンズ搭載で帰ってきた「ASUS ZenFone 5」

 そのほかのインターフェイスは、USB Type-C、microSDカードスロット(Nano SIMカードスロット兼)、マイク/ヘッドフォン・コンボジャック、デュアルスピーカーデュアルマイク。なおサウンドは、Hi-Res(24bit/192kHz)、DTS Headphone:X、SonicMaster 5.0に対応、USB Type-CはDisplayport Alternate Modeに非対応となっている。

 センサーは、GPS(GLONASS、BeiDou、Galileoサポート)、加速度センサー、電子コンパス、光センサー、近接センサー、ジャイロスコープ、指紋センサー、RGBセンサー、NFC(Type A/B)を搭載する。

 カメラは、前面800万画素、背面1,200万画素と800万画素(広角)のデュアルレンズ構成だ。詳細は別途記載したので参考にして欲しい。

 サイズは約75.6×153×7.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量約165g。カラーバリエーションは、シャイニーブラック、スペースシルバー。3,300mAhのバッテリを内蔵し、税別価格は52,800円。ZenFone 4が56,800円前後だったので若干安くなっている。

前面。パネル上部にノッチがある。見た目はiPhone Xにバンパーを付けた雰囲気だ。ナビゲーションボタンはソフトウェア式で非表示にも対応背面。左上にデュアルレンズ。上が広角/下が標準。中央少し上に指紋センサー。レンズの部分が出っ張っているので机の上に置くとガタガタする左/下。左側面にNano SIM/microSDカードスロット。下側面にマイク/ヘッドフォン・コンボジャック、USB Type-C、スピーカー右/上。右側面に音量±ボタン、電源ボタン。上側面は特に何もないNano SIM/microSDカードスロット付近。奥側がSIM1、手前がSIM2/microSD付属品はソフトケース、USB式ACアダプタ、USB/Type-Cケーブル、イヤホン、イヤーパッド、イジェクトピン重量は実測で166giPhone Xとの比較。パネルサイズ分だけ大きいが雰囲気は似ている。厚みは気持ち厚め。パネルの発色は派手気味か

 手元に届いたのはシャイニーブラック。フロントから見るとブラック、裏は見る角度によっては少しブルーっぽい発色で、全体的に価格を考慮するとなかなかの質感。6.2型なので少し大きく、持ち難いなど個人差はありそうだ。

 前面は、パネル上部にノッチがある。ナビゲーションボタンはソフトウェア式で非表示にも対応。背面は、左上にデュアルレンズ。上が広角/下が標準。中央少し上に指紋センサー。右側面に音量±ボタン、電源ボタン。左側面にNano SIM/microSDカードスロット。下側面にマイクロホン/ヘッドフォン・コンボジャック、USB Type-C、スピーカーを配置。Nano SIM/microSDカードスロットは奥側がSIM1、手前がmicroSD/SIM2となる。

 充電はこのType-Cから行なうが、BoostMasterによる高速充電(32分で50%)は、付属のUSB式ACアダプタを使う必要がある。

 パネルは上部にノッチがあり、下側にハードウェア式のナビゲーションボタンもなく、6.2型のiPhone Xが出たらこんな感じか……と思ってしまう雰囲気がある。明るさ、コントラスト、発色、視野角全て良好。発色は少し派手目だろうか。周囲の環境に応じてディスプレイの色温度を自動調整、見ている間はスリープしないなどの機能=「AI Display」もなかなか気が利いている。

 サウンドはデュアルスピーカー搭載で、横位置時でも一応ステレオっぽく聴こえる。とはいえ、やはり音はType-Cなどがある側面に寄ってしまう。パワーはあきれるほどあり、これがスマートフォンから出ている音かと思ってしまうほどで、抜けも良い。この筐体でこれだけ出るなら、ノートPCやタブレットも頑張って欲しいところだ。

 その一方で、イヤフォンでのサウンドは逆にパワー不足で抜けが悪い……と、スピーカーでの印象と真逆になるのが残念だった。ちなみにどちらも「オーディオウィザード」を使って好みの音色に調整可能だ。

 全体的に以前試用したZenFone 4と比較して随分グレードアップした感じだ。この仕上がりで価格は若干下がっているのは驚くばかり。

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