Engadget Logo エンガジェット日本版 VAIOから新シリーズの15インチノート「VAIO FL15」発表 Ryzen採用で8万円切り
VAIOから15インチノートの新シリーズ「VAIO FL15」が発表されました。本日より受注開始し、発売/最速届け日は10月6日になります。価格は7万9200円からで、VAIOストアや大型量販店、Amazon VAIOストアにて購入できます。
今回は、一足早く本製品を触る機会があったので、早速レビューしていきましょう。
VAIO株式会社になってから初のRyzenプロセッサー搭載
VAIOの15インチシリーズとしては、「VAIO S15」があります。インテルのCoreプロセッサーHラインを搭載し、デスクトップマシンの置き換えとして高い性能と光学ドライブも内蔵したオールインワンパッケージとして販売されてきました。
今回の「VAIO FL15」は、画面こそ15.6インチとS15と同じサイズですが、ビジネス寄りというより、ファミリー向けを意識した仕様で、値段もグッと抑えて購入しやすい製品に仕上げたVAIOの新たな挑戦となっています。
心臓部には、VAIO株式会社になってから初採用となるAMD製プロセッサーRyzen 3 4300U(2.7GHz~3.7GHz)を搭載するのがポイント。4コア/4スレッドで、TDPは15W。AMD Radeon Graphicsを内蔵しています。
メモリーは8GBで増設は不可。ストレージは256GB SSDで、ワイヤレス周りはWi-Fi 6に対応し、Bluetooth 5.1に準拠しています。
キーボードは、テンキー付きでVAIO S15やSXシリーズと比べてキートップはひと回り大きく、カーソルキーの配置が違うものの、打鍵感的にはそれほど違和感なく、静音性もある仕様となっています。
バッテリー駆動時間は約7.5時間(公称値)。サイズは約358.7×20.5×239.2mm、重量は約1.85kg。外へ持ち運んで使うというよりは、家で必要なとき、必要な場所で利用するといったモデルでしょう。
カラーは、写真のホワイトのほか、シルバーとブラックを用意。ホワイト以外はキーボードがブラックになります。
必要十分な性能で8万円切りはお得感あり
かんたんにベンチマークテストを実施してみました。まずはCPUの性能を測る「Cinebench R23」から。
シングルコアが1103pts、マルチコアが3952ptsと4コア/4スレッドながらかなり頑張っている。続いてアプリのベンチマークテストである「PCMark 10」も実行しました。
結果としては、スコア4000を超えてきたので、クリエイティブな重い作業でない限り、十分快適感は得られるはず。実際に使ってみましたが、Web閲覧もアプリの動作も重いと感じることはありませんでした。
軽い3Dゲームの動作チェックとして「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.51」も実行してみました。設定はグラフィックが「最高品質」、フルスクリーン表示で、解像度を1920×1080と1280×720の両方を実施しました。
結果は、1920×1080で「とても快適」、1280×720で「すごく快適」となり、軽めな3Dゲームなら十分楽しめるでしょう。仕事にプライベートにとマルチに活用できそうです。
最後に、ストレージの性能も「CrystalDiskMark 8.0.4」でチェックしました。
結果は、シーケンシャルリードで2490MB/秒、シーケンシャルライトで970MB/秒と読み込みと書き込みで差が大きいのが少々気になりますが、OSやアプリの起動に関しては快適に感じるはずです。
また、発売当初はWindows 10ですが、Windows 11へアップグレード可能で、マイクロソフトから提供され次第切り替えていく予定です。
「VAIO FL15」は、OSの選択程度でほとんどカスタマイズできず、そのぶんコスパを追求したモデルです。価格が7万9200円からというのも、VAIOとしてはかなり安い設定で、だからといって性能がちょっと……ということもなく、バランスの取れた仕様といえます。
インターフェースも、従来からあったVGAやLAN端子を排除し、近年主流となった端子のみを揃え、かつ動画も配信中心になったことで光学ドライブも削っています。インターフェース周りを絞ったことで、VAIOならではのデザイン性にこだわっており、ファミリー層にも購入しやすくなったのではないでしょうか。
VAIOの新たなユーザー層の獲得を目指した新シリーズ。もちろん安曇野FINISHで、安心サポートも3年とほかの製品と同等の扱いなので、家族で使えるマシンとしてオススメします。