NECがWin 11搭載PCを一挙発売、教育向けの11型店頭モデル『LAVIE N11』も

NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)が、Windows 11搭載版となる個人向けPCの2021年秋冬モデルを発表しました。マイクロソフト期待の新バージョンOSに合わせた世代交代となります。

2大モバイルノートPCである、『LAVIE Pro Mobile』と『LAVIE N12』は現行モデル(Windows 10搭載版)が継続販売となりますが、それ以外のモデルがほぼ全面的にWin 11搭載版を投入します。

また、Microsoft Officeプリインストールモデルでは、合わせて『Office Home & Business 2021』(Office H&B 2021)へと更新されています。

ただし店頭向けの新シリーズとなるLAVIE N11(上写真:仕様は後述します)を除けば、今回はマイナーアップデート気味。本体外装レベルで変更される、いわゆるメジャーアップデート機種はありません。

今回の新モデルとなるのは、店頭向けの11インチ画面のタブレット兼用(360度ヒンジ搭載)ノートPC『LAVIE N11』。これまでWeb直販『NEC Direct』専用だったモデルの店頭販売バージョンです。

出荷開始予定は10月7日から、市場想定価格はOffice H&B 2021付きで9万8780円(税込)前後を予定します。

同モデルは、年少者の学習向けを主眼とする「GIGAスクール向けモデルに近い仕様を備えた家庭向け」といった性格のモデル。本体重量は約1.34kgと、昨今ではモバイルとは呼べないものの、比較的軽量といった位置づけです。

液晶解像度は1366×768ドットでCPUはインテルの『Celeron N5100』、RAMは4GBでストレージはeMMC 128GBと、PCとしての仕様は非常に控えめですが、ペン入力への対応や年少者のヘビーな扱いを見据えた堅牢性など、学校用PCで要求される仕様に重きを置いています。

バッテリー駆動時間は、公称で約10.2時間と比較的長め。タッチタイピングにおける指の位置をわかりやすくする「タイピングカバー」など、付属品も他モデルとはひと味違った構成です。

また、カメラは画面上部(天側)に加え、キーボードの奥にも搭載。タブレットモードでの使用では、前面と背面カメラとして使えます。

堅牢性という点では、76cmの落下テストや、米国国防省がの調達基準であるMIL-STD-810H準拠のテストをパス。面耐圧150kg/fの加圧試験も実施するなど、上位のモバイルノートPCに近いテストが実施されています。

加えてキーボードは防滴構造を導入するなど、家庭内での事故に対しても配慮がなされています。

今回の中で最も強化点の多いシリーズとなるのが、同社の主力モデルこと、15.6インチのホームノートPCである『LAVIE N15』シリーズです。

今回は5グレード構成となっており、出荷開始予定は10月7日から11月25日(グレードによって異なります)、市場想定価格は17万280円から23万6280円(税込)まで。全モデルにOffice H&B 2021をプリインストールします。

シリーズを通しての特徴は、AMD Ryzen 5000U系の搭載を中核機種に広げた点。本体の基本的なデザインは現行モデルを踏襲しますが、今回は5グレードのうち3機種がRyzen搭載機となり、モデル数ではインテル製CPUより多くなっています。


 NECがWin 11搭載PCを一挙発売、教育向けの11型店頭モデル『LAVIE N11』も

とくに売れ筋となるミドルの2機種が、6コア12スレッド処理対応の『Ryzen 5 5500U』と『Ryzen 7 5700U』という布陣になった点は、イマドキのノートPCとして注目すべき点でしょう。

合わせて最廉価グレードでは搭載CPUがインテル『Core i3-10110U』へ、RAMが8GBへ、Wi-FiクライアントがWi-Fi 6対応へと強化されるなど、細かな点で強化がなされています。ただし、ヘビーユーザーにとって“いつまで残るかが隠れた注目点”ともなっている、1366×768ドット解像度液晶は継承されています。

さらに最上位には、8コア16スレッド対応の5000Uシリーズ最上位CPU『Ryzen 7 5800U』を採用。TDP 15WのモバイルCPUとしては異例の強力さを備えたCPUにより、快速処理を実現します。

家庭内モバイルを狙った、約1.46kgからの14インチ画面モデル『LAVIE N14』は、2グレードあるうちの廉価グレード側にCPU強化が入りました(インテルの『Core i3-1115G4』へ)。上位は現行と同じく、Core i7-1165G7を搭載します。

出荷開始予定日は2021年10月7日と10月14日(グレードにより異なります)、市場想定価格は17万280円から21万4280円(税込)まで。こちらも全グレードにOffice H&B 2021を搭載します。

その他の仕様は現行モデルを継承。3辺ナローベゼル仕様液晶パネルによる小さめの底面積や、リモートワークで威力を発揮するヤマハとのコラボによるミーティング向け機能など、現行機で好評な仕様はそのままです。

4辺ナローベゼル画面の一体型デスクトップは、27インチモデル『LAVIE A27』、23インチモデル『LAVIE A23』ともに、Win 11+Office H&B 2021搭載へと刷新。

こちらの改訂ポイントは少なく、基本的にはほぼOSとOfficeのバージョンアップのみ、といったところ。

合わせてカラーバリエーションが若干絞り込まれており、A27の最上位グレードはファインブラックのみに、A23の最廉価グレードはファインホワイトのみとなっています。

一体型デスクトップとしては非常に際立つベゼルの狭さと、それによるシンプルな『カフェボードデザイン』、スリープ状態からの復帰も可能なNEC PC独自の音声操作など、現行モデルでの特徴的な機能はそのまま搭載します。

27インチモデル最上位の特徴である、液晶画面をスピーカーの振動板としても使う『Crystal Sound Display』も現行モデルから継承。画面から音が出せるシステムならではの、締まった音像定位(音の方向性)を実現します。

合わせて同社のWeb直販モデルも、最新仕様に刷新。とくに高級モバイルノートPC『LAVIE Direct PM』と『LAVIE Direct N12』では、それぞれの店頭モデル『LAVE Pro Mobile』『LAVIE N12』では入手不可能な、Win 11(ProまたはHome)搭載を選択可能となっています。

さらにN15のWeb直販バージョン『LAVIE Direct N15』シリーズでは、RAM 32GB構成も可能になるなど、地味ながら重要な構成の見直しも入っています。

このように、今回のNEC PCの2021年秋冬モデルは、ハードウェア面としてはいささか地味なタイプの刷新に。ただし実際の使い勝手としては、当然ながらOSが世代交代したことから、大きく異なるフィーリングとなります。

また、PCハードウェア好きの観点からすると、主力モデルN15での全面的(と言っても良いでしょう)な“Ryzenシフト”は、非常に印象的なもの。

現行モデルでは最上位に特別構成版Ryzenこと『Ryzen 7 Extreme Edition』を搭載していますが、今回はこうした特殊構成CPUこそないものの、現行でのTDP(発熱と消費電力の目安)15W版CPUにおいては最速となるRyzen 7 5800Uの搭載により、良い意味でホームノートPCらしくないCPUパワーを備えています。

シリーズ構成全般としては良い意味でNEC PCらしい手堅さなのですが、一方で積極的なRyzenシフトがどう評価されるのか、個人的にも注目したいところです。

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