リモートデスクトップでChromebookの真価を発揮! 重い処理もごろ寝しながら操作可能 - 窓の杜
Chromebookかんたん使いこなし術
第3回
ChromebookからWindows/Mac/Linuxをリモート操作
4回にわたってChromebookとそのOS「Chrome OS」の使いこなしを解説する本特集。第3回となる今回は、ChromebookからWindows/Mac/Linuxをリモート操作する方法を紹介する。
Chromebookは安価な分、スペックが抑えられた端末が多い。また、「Chrome OS」には向いていない作業も少なくない。そうした作業はハイスペックなデスクトップPCで行いたいが、リビングやベッドでくつろいでいるときにわざわざPCのある部屋へ足を運ぶのは億劫だ。そんなとき、あらかじめChromebookで遠隔操作できるようにセットアップしておけば便利。動画ファイルの変換やグラフィックのレンダリングといった重い処理も、ゴロゴロしながら指先でタップするだけで済ませられる。
接続先が「Windows 10 Pro」ならば、Microsoft公式のAndroidアプリが使える
Microsoft公式のAndroidアプリでリモートデスクトップ接続もし読者がWindows 10 Proを使っていて、すでに「リモート デスクトップ 接続」(RDP)を活用しているならば、難しいことはないもない。「Google Play」ストアからAndroid版のクライアントアプリをダウンロードし、Chromebookで実行すればよい。
現行の最新版(10.0.10.1129)ではクライアントサイドのIMEがサポートされており、たとえばChromebookであれば「Chrome OS」側のIMEで変換することが可能。RDPでは英語配列のキーボード以外を利用すると、キー配列の食い違いから特定の文字が入力不能になったりするトラブルが見受けられたが、クライアントサイドIMEのサポートはそうした問題を緩和してくれることだろう。
「Remote Desktop」アプリでWindows 10 Proに接続した様子Windows 10 ProでRDPを有効化する方法(Windows 10 バージョン 1709、Fall Creator Update以降)釈迦に説法かもしれないが、Windows 10 Pro側でRDPを有効化する方法も紹介しておこう。
まず「設定」アプリを起動し、[システム]-[リモート デスクトップ]セクションを開く。すると、[リモート デスクトップを有効化する]というトグルスイッチがあるので、これをONにしておこう。RDPをスムーズに行うために、下にある2つのチェックボックスもいずれもONにしておくのがお勧めだ。
「設定」アプリを起動し、[システム]-[リモート デスクトップ]セクションを開く接続する際は、この画面の下に書かれているPC名を利用する。このPC名は[システム]-[詳細情報]セクションでカスタマイズが可能だ。ログインユーザーは、ローカルアカウントまたはMicrosoft アカウントが利用できる。
そのほかの場合は、「Chrome リモート デスクトップ」がお手軽
Google自身が提供する「Chrome リモート デスクトップ」。PCへのリモートアクセスと画面の共有(リモートアシスタント)が利用可能もしWindows 10 HomeなどRDPを利用できない場合は、そのほかの方法を採ることになる。ソリューションは「TeamViewer」でも「AnyDesk」でも、好みのものを利用すればよいが、Googleが提供している「Chrome リモート デスクトップ」を使うのがもっとも無難だろう。
Windows/Mac/Linuxデバイスの設定
それではまず、操作される側、Windows/Mac/Linuxデバイス(PC)の設定の設定を進めていこう。
まず、PCで「Chrome」を起動し、アドレスバーに「remotedesktop.google.com/access」と入力する。途中、「Google アカウント」でのログインが必要になるが、そこではChromebookで使っているのと同じアカウントでログインしよう。
遠隔操作したいPCで「remotedesktop.google.com/access」を開く。途中、「Google アカウント」でのログインが必要となる「remotedesktop.google.com/access」にアクセスした様子。[リモート アクセスの設定]というセクションにダウンロードボタンがあるはずだ「Google Chrome リモート デスクトップ」のWebサイトで[リモート アクセス]画面が表示されたら、[リモート アクセスの設定]というセクションにあるダウンロードボタンをクリックし、拡張機能とコンパニオンアプリ(連携ソフト)を入手する。拡張機能はそのままインストールされるが、コンパニオンアプリはダウンロードフォルダーなどから起動してセットアップする必要があるので注意しよう。
拡張機能とコンパニオンアプリ(連携ソフト)を入手。故あってスクリーンショットは「Firefox」になっているが、「Chrome」でもやり方は同じだ(「Firefox」でも「Chrome リモート デスクトップ」は利用可能)アプリのセットアップが完了すると、続けて設定ウィザードが現れるので、案内に従って[名前の選択]と[PIN の入力](6桁以上の数字)を行おう。いずれもあとからこのPCへリモートアクセスする際に必要となる。
遠隔操作したいPCで「remotedesktop.google.com/access」を開く。途中、「Google アカウント」でのログインが必要となる「remotedesktop.google.com/access」にアクセスした様子。[リモート アクセスの設定]ウィザードでの入力を終え、[このデバイス]セクションにPCが登録され、状態が「オンライン」になれば設定は完了だ。
ChromebookからWindows/Mac/Linuxデバイスを遠隔操作する
ChromebookからPCへアクセスする場合も、まずWebブラウザーで「remotedesktop.google.com/access」へアクセスする。すると先ほどセットアップしたPCが[リモートのデバイス]セクションに登録されているのがわかるだろう。
Chromebookから「remotedesktop.google.com/access」を開く。すると先ほどセットアップしたPCが[リモートのデバイス]セクションに登録されているあとはこれを選択し、PINを入力すればOK。Webブラウザーの閲覧画面に、リモートPCのデスクトップ画面が表示される。毎回PINを入力するのが面倒であれば、[このデバイスに PIN を保存します。]というチェックボックスをONにしておこう。
リモートPCを選択してPINを入力無事接続されたPCやChromebookで「Google Chrome リモート デスクトップ」を利用する場合は、マウスやキーボードの利用が前提となっているようだ。タッチパネルだけでは操作が困難だが、それでもPCで進行中の作業の進捗をちょっと確認したい場合などには十分便利だろう。
リモートデスクトップ接続の設定は、画面端にある矢印ボタンからアクセス可能。サイドパネルが開き、ここでさまざまなオプションにアクセスできる。サイドパネルを常に表示させておきたい場合は、ピンアイコンをクリックすればよい。上部にある矢印キーを押せば、表示位置を左端または右端に切り替えられる。
サイドパネルでオプションを表示。ピン留め(常時表示)と表示位置の左右の入れ替えが可能このパネルにはさまざまなオプションが用意されている。たとえば、接続先のPCがマルチモニター環境ならば、表示するモニターを切り替えることが可能。ファイルをアップロードしたり、ダウンロードすることもできる。さらに[統計情報]オプションを有効化すれば、接続速度やフレームレートといった情報をグラフでオーバーレイ表示させることが可能。これはリモート接続がうまくいかないときのトラブルシューディングに便利だ。
[統計情報]オプションを有効化すれば、接続速度やフレームレートといった情報をグラフでオーバーレイ表示させることが可能長期間利用しない場合は、リモート接続の無効化を
リモートデスクトップのセッション(接続)は、セキュリティ保護のためすべて暗号化される。「Google アカウント」を乗っ取られたうえ、PINを盗まれない限り、リモートPCが操作される心配はない。
しかし、長期間利用しない場合は、念のためリモート接続を無効化しておくとよいだろう。「remotedesktop.google.com/access」でPCのごみ箱アイコンをクリックすると、リモート接続設定が破棄され、アクセス不能になる。
長期間利用しない場合は、念のためリモート接続を無効化しておくとよいリモート サポート機能で助けてもらう「Google Chrome リモート デスクトップ」は遠隔サポートにも利用できる。前述の拡張機能とコンパニオンアプリさえインストールされていれば、「Chrome」で「remotedesktop.google.com/support」にアクセスし、[この画面を共有]セクションで[コードを生成]ボタンを押すだけだ。相手にコードを伝えて、「remotedesktop.google.com/support」から接続してもらえるように依頼しよう。
「Google Chrome リモート デスクトップ」は遠隔サポートにも利用できる