キャリア版iPadは海外SIMフリーを確認 - ケータイ Watch Watch
この年末年始は円安傾向にもかかわらず、海外旅行が好調だったようで、各空港の国際線ロビーはたいへんな賑わいだったという。筆者は仕事の都合もあり、あまり長く休めなかったが、12月半ばに5日間ほど、おなじみのバンコクに出かけてきた。
バンコク・スワンナプーム国際空港のAISのカウンター海外に出かけるとなれば、当然、SIMロックフリー端末を用意して、現地でプリペイドSIMカードを購入して……という流れになるわけで、そのあたりの話はこれまでも「海外のプリペイドSIMカードで使える専用アプリ」などで書いた通り。たとえば、バンコクのスワンナプーム国際空港は到着ロビーに出たところに、AIS、True mobile、dtacの3事業者のカウンターがあり、旅行者向けにプリペイドSIMカードが販売されている。各社の旅行者向けパッケージは299バーツ(約1080円)で1.5GB/7日間というプランが中心で、大容量のものとしては599バーツ(約2160円)で4.5GB/30日間というものも販売されていた。日本のMVNO各社のSIMカードも安くなってきたので、単価的に安いとは言えないけど、それでも日本からの渡航者にとっては1日当たり最大3000円弱という海外パケット定額の料金を節約できるわけで、相変わらず、その恩恵は大きい。
今回はSIMフリー端末として、ファーウェイのAscend Mate7、サムスンのGALAXY S5(海外版)、パナソニックのLUMIX DMC-CM1を用意し、それぞれに各社のプリペイドSIMカードを挿し、自分と家族で利用したんだけど、それとは別に、もう1枚、プリペイドSIMカードを買うことにした。
前々回のエントリーの「iPad mini 3はキャリア版を選んでみた」でも書いたように、現在、ボクはNTTドコモ版のiPad mini 3を使っている。過去の記事でも触れられてきたことだけど、国内で販売されているiPadは基本的に国内事業者向けのSIMロックが設定されていて、海外の携帯電話事業者で利用するときはSIMフリーになるはず。ただ、ボク自身はここ1~2年、SIMフリー版iPadばかりを使ってきたため、国内のキャリア版を海外に持ち出したことがなく、今回は検証も含め、買ってみたかったというわけ。
今回、バンコクでiPad mini 3用に購入したプリペイドSIMカードは、AISのもので、テザリングにも使えるだろうという判断で、前述の4.5GB/30日のプランを選んだ。設定のために、iPad mini 3を手渡したところ、カウンターのお姉さんは慣れたもので、iPadのメニューを英語などに切り替えることもなく、慣れた手つきでテキパキと入力。あっさりと使える環境を整えることができた。
バンコク・スワンナプーム国際空港のtrue moveのカウンター。LTEサービスも提供中だが、空港では買えなかったバンコク・スワンナプーム国際空港のdtacのカウンター。dtacのTRAVELLER SIMは何もオプションを付けなかったけど、一部のエリアではLTEで接続された1月に入り、2015 International CESにもiPad mini 3を持っていき、今度は米国ラスベガスのショッピングモール「FORUM SHOPS」にあるApple Storeで「Apple SIM」を4.99ドル+税(8.1%)で購入。Apple SIMはiPad mini 3(iPad Air 2でも可)に挿すと、設定画面の[モバイルデータ通信]-[Set Up Cellular Data]からオンラインサインアップすると、AT&T、Sprint、T-Mobileのいずれかに契約できるというしくみで、今回は10ドルで5GB/5カ月間というキャンペーンをやっていたT-Mobileと契約した。日本でもMVNO各社が増えてきているので、このしくみの導入を期待したいところだ。
ちなみに、これまでのSIMフリー版iPadでは、国内でMVNO各社のSIMカードを利用していたため、APN構成ファイルが登録してあって、これを削除しないと、渡航先のプリペイドSIMカードがうまく動作しないというケースがあった。しかし、今回は何もプロファイルを削除したり、追加したりすることもなく、簡単に使うことができ、帰国後もSIMカードを入れ替えるだけで、すぐにNTTドコモのネットワークに接続することができた。このあたりの手間の少なさは、SIMフリー環境に慣れていない人にもうれしいだろう。
以前にも紹介したAISのiPad用ユーティリティ。利用期限や残高などが確認できる無事にAISの3Gネットワークに接続。LTEに慣れてしまっているので、ちょっと物足りないけど、安定しているので、不満はないレベルところで、同じiPadの話題として、前回のエントリーでは、auのLTEデータプリペイドでSIMカードを契約し、SIMフリー版のiPad Air 2で使うという話を書いた。そこで「データギフトにも対応している」と書いたけど、その後、データギフトのサービスが開始され、残念ながら、「LTEデータプリペイドはデータギフトの受け取りに非対応」ということになりました。当初、聞いていた話と違う気がするんだけど、原稿執筆時点ではサービスが開始されていなかったこともあり、確認が不十分でした。お詫びして、訂正します。
ちなみに、auのLTEネットワークを利用したiPad Air 2は、とても快適なんだけど、やっぱり、31日間という有効期限、1GBで1500円という料金は、MVNO各社と比較してもちょっと割高な印象が否めない。同じauのネットワークを利用するKDDIバリューイネーブラーと沖縄バリューイネーブラーの「UQ mobile」では、「データ高速プラン」で2GBで980円という料金設定をしていることを考えると、こっちの方が得な気もする。ただ、UQ mobileではmicroSIMカードしか提供していないうえ、動作確認端末一覧のページにはApple製品の情報がまったく掲載されておらず、今のところ、iPad Air 2での利用は期待できそうもない。
そうなってくると、もう少し割安に使うために、LTEデータプリペイドの契約でもデータギフトを受け取れるようにして欲しいところなんですが……。「あたらしい自由」を謳ってるんですから、もうちょっと自由に使わせてください。>KDDIさん