BIOS、更新してますか?
えっ、「ばいおす」ってなんですか?
そう思う人もいるかもしれませんが、ざっくり言うとPC(Windows機)の基本中の基本となるソフトウェアのことです。米GizmodoのDavid Nieldが基本的なところから解説してくれています。その性質上、実際に試される際は自己責任でお願いいたします。
BIOSとは
BIOS(Basic Input/Output System)はコンピューターに搭載されている最も基本的なソフトウェア。コンピューターの電源を入れると最初に起動し、システムの構成要素(コンポーネント)がすべて動作しているか、正しい場所にあるかをチェックし、メインのOSをロードします。PCのスムーズな稼動にはBIOSが不可欠です。だからこそ、BIOSを最新の状態に保つことが重要なのです。
幸い、数年前と比べ、システムを良好な状態で維持するという目的では、BIOSの更新はかなり簡単になりました。ユーザーの負担を減らすため、PCでBIOSが格納されているマザーボードが改良され、進化したからです(ここでいう「PC」とは、Windowsの実行を目的としたコンピューターのことですが、Linuxデバイスや、「ハッキントッシュ」の大半もBIOSを頼りにしています。Apple(アップル)社製のマシンはちょっと事情が異なります)。
たとえば、現在のマザーボードで、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)がBIOSに取って代わったのも、このような進化の一端です。UEFIはBIOSよりも速く賢く、これまでBIOSが担当していた仕事の大半をこなします。ただし、話をわかりやすくするために、ここではUEFIもBIOSと呼ぶことにします(実際、UEFIはUEFI BIOS、または単にBIOSと呼ばれることがよくあります)。
名前はともかく、今日のテーマであるBIOSはPCが土台として頼りにしているファームウェアですから、バグ修正プログラムやセキュリティパッチを使って、常に最新の状態にしておくことが重要なわけです。システムをできるだけ健全かつ安全に保つために、定期的にチェックしたいものです。
BIOS更新のやり方
慌てる必要はありません。指示にしっかり従って進めれば、数分で終わる程度のささいなことですから。(UEFI)BIOSは、通常、Windows UpdateまたはUSBメモリを使って更新されます。ただし、そのプロセスは、マザーボードのメーカーによってほんのちょっと異なりますが。
これを念頭に、まず、マザーボード(もしくはノートパソコン)を製造したメーカーのWebサイトにアクセスしましょう。必要なアップデートファイルはすべてここにあります。詳しい手順書もおそらくここで手に入るでしょう。たとえば、新しいASUSマザーボードのガイドはここにありますし、Acerコンピューターのはここにあります。
使用しているコンピューターのメーカー名と機種でネット検索すれば、関連する情報がヒットするはずです。できれば、取り付けられているマザーボードの名前と型番も検索に含めてみてください。PCに入っているマザーボードの型番が分からない? では、「システム情報」画面(タスクバーの検索ボックスで「システム情報」を検索すればすぐ見つかります)へ進み、「システムの要約」でベースボードの詳細を確認しましょう。「ベースボード製造元」がマザーボードのメーカー、「ベースボード製品」が型番です。
何らかの理由でこれが上手く行かなかった場合、またはなんのことやらさっぱりわからないという場合には、無料アプリのCPU-Zにやってもらいましょう。このアプリを起動して、「Mainboard」タブを見れば、マザーボードのメーカーと型番が表示されているはずです。CPU-Zとシステム情報のどちらにも、BIOSのバージョンと日付が表示されますので、最後に更新してからどのくらいの年月が経っているかがわかります。
さてこれで、BIOSの更新プログラムの検索に必要な情報が揃いました。必ず、メーカーの正式なサポートWebサイトを探しましょう。マルウェア感染の心配のない、純正のプログラムが確実に手に入りますから。メーカーによっては、マザーボードのメーカーや型番ではなく、ノートPCのメーカー名と型番(これに「BIOSの更新」というキーワードをつければ尚可)で見つけられることもあります。
BIOSの更新方法は、メーカーによって異なります。また、メーカーが同じでも、マザーボードの種類によっては手順が変わることもありますが、最小限の技術的ノウハウがあればなんとかなるはずです。ここではDell PCを例に説明しますが、メーカーが違っても、手順はだいたい似たようなものでしょう。
Dellの総合サポートポータルはこちらです。アクセスすると同時に、使用しているコンピューターの型番の入力、またはアシスタントツールのダウンロードを求められます。また、「ドライバおよびダウンロード」をクリックして、必要なダウンロードへまっすぐ進むこともできます。ひとりじゃ不安だという方は、「SupportAssistのダウンロードとインストール 」へ。運が味方してくれれば、BIOS更新作業の大半を自動化してくれるWindowsツールが手に入ります。そうでなくても、少なくとも手順を詳しく説明した説明書は手に入るはずです。
Dellコンピューターをはじめ、大半のコンピューターでは、指定された小さなユーティリティをダウンロードして実行すれば、BIOSが最新バージョンに更新され、同時にPCが再起動されます。このとき、まず、すべての作業を保存し、すべてのファイルをバックアップすることを絶対に忘れないでください。
こういった更新ユーティリティには、ユーザーがコンピューターを完全に操作不能にしないように防ぐための対策が組み込まれています。私たちもみなさんに一刻も早くBIOSを更新して欲しいと思っていますが、十分に注意しながら、正しいファイルを見つけてください。また、更新ファイルを適用する前には、くれぐれもコンピューターがほかの処理をしていないことを確認してください。
更新を完了すれば、Windows Updateの恩恵がすべてみなさんのものになります。他のハードウェアとの互換性が高まり、セキュリティが向上し、バグが減り、おそらくその他にも機能が1つか2つ追加されるでしょう。古いPCのBIOSを操作する場合には、通常、コンピューターの起動画面でファンクションキーかDeleteキーを押す必要があります(どちらかわからない場合は、マニュアルを確認するか、画面に表示されるメッセージに従って操作してください)。
UEFI BIOSが更新されたら、「Windowsの設定」から「更新とセキュリティ」の「回復」に進み、「今すぐ再起動」をクリックします。次に、「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「UEFI ファームウェアの設定」の順にクリックし、最後に「再起動」します。再起動後に表示されるオプションは、コンピューターのメーカーや機種によって異なりますが、通常はそこでドライブの起動順序の変更やWi-Fi接続の有効無効の切り替えができます。
BIOSの更新は面倒な作業のように感じられます。特に手順に正確に従わなかった場合には、コンピューターを使用できなくなる可能性があると脅されたら、あまり気乗りしないかもしれません。しかし、手順を忠実に守れば、最終的にはコンピューターがより安全で高速になるという利益が得られます。やってみる価値は十分にありますよ。